テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
32
17,033
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
hnnm注意(リアム≠trと捉えていますが一応)
アリッサ×リアム
アリッサに生えます
地雷の方は自衛してください
手癖丸出しなので口調や文体は違和感あると思います
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「『媚薬を10本飲まないと出られない部屋』……?」
リアムは唖然として、出口らしき灰色の扉の上に掲げられた、その言葉を口に出した。上下左右どこを見ても白い壁、ミニマリストかとでもツッコミたくなるような最低限の生活が保証された家具、トイレなど衛生関係の部屋に続く白い扉、その他諸々。そして、隣で未だ眠りこけている……アリッサ看守。見慣れぬ部屋に二人は閉じ込められていた。
……
アリッサは、突然聞こえてきたもの凄い物音で目が覚めた。夢の中では誰かに大声で叫ばれたのだったか。いずれにせよ、気持ちよく眠っていた所をこう手荒に起こされては、気分も悪かったのだろうな、アリッサは二度寝を決めようとした。
「おい、起きろ」
たったそれだけで、再び布団に潜ろうとしていた背筋がピンと伸びたような気がして、アリッサは勢いよく起き上がった。嫌という程聞き慣れた声。
「……!?……?…リアム看守?何故ここに…っあ!も、もしかして、遅刻ですか!?」
「はぁ……それよりも、まずいことになった」
くい、と目線だけでリアムが指し示したのは、扉の上にある看板。
「『媚薬を10本飲まないと出られない部屋』……」
アリッサは1字1句間違いなく、リアムがしたのと同じようにその文字を読み上げる。信じられないくらい声色も一緒だった。
「色々試したがあそこの扉はどうやっても開かない。どうやら閉じ込められたらしい」
そうだ。全部試したのだ。何から何まで全て。まあ主に力ずくでだけど。
アリッサはリアムの言葉を聞いて完全に状況を把握した。だってこの男は馬鹿みたいに強いのだ。頑張ったらワンチャン、檻も切れるんじゃないかと……それは言い過ぎか。でも、前にうっかりぶつかった時は岩のような体幹だなぁと跳ね返されながらに思ったし、かけられていた手錠を壊したのだって見たことがある。そんな看守が何をやっても開かないと言うならそうなのだろうな、と納得した。要するに信頼だな。日々の積み重ね。その信頼のせいで絶望するとは思わなかったけど。
「そんな……じゃあ、あの通りにするしかないということですか?」
「不服だがな」
そう言ってリアム看守は、部屋のど真ん中に置かれた、怪しげな液体の入った10本の小瓶に向き合った。いつもより一層険しい表情をして。それから嫌そうに歩いていくので、起き上がって、いつもみたいに後ろからついて行く……つもりだった。
あれ、と。
なにか……おかしい。立ち上がった時の違和感。なにかある。
「は………!?」
リアム看守に見られないように下半身に触って、もう絶句。明らかに”ついている”。無いはずのものが。嘘、嘘だ。ただでさえわけのわからない部屋に入れられているのに、こんな事まであるなんて意味がわからない。あまりに信じられない現実に頭がくらくらして、いっそ夢であって欲しいとすら願った。さっきまで寝ていたくせに夢もクソもあるか。馬鹿が。
「どうした」
「ひゃいっ!」
どうやらこちらの挙動不審さに気がついたらしい、リアム看守に声をかけられた。突然のことで驚いて、返事の声が裏返る。──どうしようどうしようどうしよう。言うべきだろうか。にしたって、上官にどう報告しろというのだ。でもこういう時は相場が決まっていて、大抵言わない方がまずいのだ。
「なにか気付いたなら言え。情報共有は緊急時の基本だ」
淡々と正論を言われるのが逆に刺さる。本当にその通りではあるのだけれど。それにしたって、こんなのあんまりだ。なぜこんな目にあって、その上ばかみたいな現実を説明しなきゃならないのか。そりゃそうだ。誰が好き好んで自分の股間にちんちん生えたって言うんだ。ァ、でもあいつなら言うかもな。ほら、誰だっけ……囚人の。腕の立つ奴にエロ同人描かせて、日数減らされたやつだ。女の子に付いてたら……なんだったかな。オトク?とかほざいてた馬鹿。もう死んでるかな。まあ、お得かもな。うん。そう思ったら言える気がしてきた。は?何がお得なんだよ。どう考えてもこの状況は得じゃないだろ。ちらとリアム看守の方を見る。待たれている。もう、観念して言うしかないのだ。
「……その、何を言ってるか分からないと思うんですけど!お、……男性器が。つい、てて……!」
「…………何……?」
口に出すと急に不安が込み上げて、涙声になるのが自分でも分かる。情けない。まさか大人になってから泣きかけることになるとは思わなかった。嘘つくな。仕事中でも結構ホロリとしてるだろ。
「こ、ここ、これっどうしたら……!」
今度はリアムが絶句する番であった。視線を下にずらすと否応なしに目に入る膨らみ。本来無いはずのもの。信じられない。リアムは眉間に手を当て、目を閉じて、深呼吸、もとい溜息をついた。目を開けたら実は戻っていたりなどして。まあ、そんなはずもなく。紛れもない現実だな。
「……他に、体に異常はないか」
「は、はいっ。恐らく…」
「ならいい」
……ならいい?この男は今、ならいいと言ったのか。ならいいだって。ならいいわけがあるか。部下に男性器がついているのに、ならいいで済ませていいわけないだろ。どういう気概をしてるんだ。あーあ。尊敬してたのに。信頼がちょっと揺らいだ。力に関しては別だからちょっと。
あんまりにもアリッサが失望の眼差しでリアムを見るものだから、リアムはようやっと、自分か言葉足らずであることに気がついた。決してアリッサの異常がどうでもいいなどと言おうとした訳では無いのだ。
「俺が全部飲むから大丈夫だということだ。そもそもお前を起こしたのは、何かあった時のために、理性的な1人がいなければならなかったからだ」
「……え、ひとりで、全部飲むんですか」
まあ本当に、コロコロとよく変わる表情だこと。こういう素直なところが憎めないのだ。だからこそ、飲ませる訳にはいかない。何より部下であるし、もう、………付いている上に、飲ませるなんて。あんまりにも酷すぎる。そんなことできやしない。
「そうだ。だから大人しく待っていろ」
「ほ、本当に飲むんですか……?」
アリッサの小さな問いかけを無視して躊躇いなく小瓶の蓋を開ける。多少の甘い香りはすれども、あの監獄で嗅ぐような薬品の香りはしない。
リアムは1つ目の小瓶を呷る。喉を滑り落ちる液体は予想以上に甘く、アルコールのような熱を持ちながら胃へと流れ込む。わずかな刺激を感じるが、耐えられないほどではない。
「どうですか……?」
「問題ない」
そう言いながらも、リアムの頬がわずかに紅潮しているのが見て取れた。2本目、3本目と立て続けに飲み干していくうちに、額にはじわりと汗が滲み、息遣いも次第に荒くなっていく。
7本目を空にしたところで、リアムは流石に一度動きを止めた。
「……少し、休む」
「だ、大丈夫ですか?」
アリッサが慌てて駆け寄ろうとするが、リアムはそれを制するように片手を軽く上げた。これくらい、大したことではない、と。彼はテーブルに肘をつき、ふぅ、と大きく息を吐く。
強がっていることは明白だった。言葉とは裏腹に、その声は掠れ、熱っぽさを帯びている。いつもは鋭利な光を宿す灰色の瞳が、今は熱に浮かされているように揺らいでいた。
アリッサはその様子を固唾を飲んで見守ることしかできない。ごくんと喉がなる。心臓がドクンドクンと早鐘を打ち、汗が背中を伝う。……どうしよう。どうしようどうしよう。先とは違う動揺。心臓のいけないところがざわざわして痛い。………あ。……かわいい。あの、リアム看守が、こんなに弱ってるなんて。
リアム看守が8本目に手を出す。勢いよく流し込み、そのまま9本目も空にした。10本目。手が止まる。崩れ落ちるみたいに、床にずる、と座り込んでしまう。はやく。早く飲んで欲しい。このままではいけない。目が離せない。動悸が止まらない。ああ。もう、だめだ。
「っ、すみません!」
「……、なにを……のんで……」
「立てますか、早く出ましょう!」
アリッサは最後の小瓶を飲み干した。襲い来る、頭がぐらりと揺れる感覚と、血液が沸騰するような熱。いや、興奮なのかも。いずれにしたって、1本でこの効果のものを9本飲んでいるリアムは正気じゃなかった。そうだ、正気じゃないのだ。だからさっさとここを立ち去らないと。
アリッサがリアムを立たせるために少し、本当にほんの少しだ。爪の切っ先がほんのちょっと、なんなら空気が少し動いたくらいだけ、リアムに触れた。たったそれだけで、びく、と肩を震わせるのだ。たまったものじゃない。アリッサはできるだけリアムから目を逸らして立ち上がらせる。大丈夫ですか、と聞いて、熱っぽい吐息を聞かないフリをする。リアムがこくと頷く。言葉はない。ドアノブに手をかけた。簡単に回る。気持ち悪いぐらい軽い力でドアが開いた。
──それから、絶句。
まあリアムなんかは元々喋れるような状態ではなかったけれど、アリッサはもう、それはそれは絶句した。あんまり言葉が出ないものだから、息が止まっていたかも。確かに閉鎖空間で息も詰まるような思いだったけど。”だった”というか、”今もそう”、だけど。
扉を抜けた先はまた別の部屋。同じような真っ白な部屋。たった一つ違うのは、入ってきた扉とは別の扉の上に掲げられた、看板の、文字。
「『満足しないと出られない部屋』……」
……
つるりとよく冷えた水が熱を少しばかり奪う。嚥下する喉の感覚。自分の心臓の音。指先に触れるシーツ。神経が鋭くなっていて、与えられる全てに過剰に反応する。座っているだけで今にも達しそうで、ひゅ、と軽く喉が鳴った。
「…大丈夫ですか?」
どう見たって大丈夫ではないだろうな、とアリッサはリアムの隣に腰掛けながら思って、まあこんなのはただの社交辞令だ。それはそれとして。自分も水を飲んで多少マシになったとは言えども、かなり媚薬の効果が回っている。とにかく、理性のあるうちになんとか……話をつけないと。結果的に満足したとして、無理やりなんて事には絶対にしたくない。アリッサはそういう性分だった。
アリッサは意を決してリアムの方に向き直る。水を飲み終えたばかりの彼の呼吸はまだ浅く、頬は火照りを帯びていた。瞳は潤んでおり、普段の冷静沈着なリアムとは別人のようで……ァ、いやこれは無理だ。直視するには股間が痛すぎる。
ということで、もうチラリとも見ずに、や、チラリとは見たかもな。チラリとリアムを見て、それから正面の壁を見て、また意を決して言った。
「その、リアム看守。どう……しましょうか」
「…、なにが……………」
「ええと。うぅん…、…………だから!つまりですね。…………挿れますか、と、いう……ことで……」
「…………、…いや………おまえに、そんな、こと…できるか…」
大丈夫。まだ喋れる。まだ、あたまがはたらく。辛うじて残っている理性の手網をぎゅうと握りしめた。そもそも好きあっている訳でもないのに、なんて、向こうが嫌だろう。それに……今のこの状態では、無体をはたらきかねない。行為中もこの手網を握れる確証なんかない。それなら。それならいっそ、自分が受け身の方がいい、かもしれない。そうだ。そうしたら絶対に、2度目は来ないだろうし。
ところで、リアムはプライドが高かった。昔から、自分の思うようにいかないことには腹が立ったし、誰かの言うことを大人しく聞くのは癪だった。だから、下になることに抵抗がないのかと言われたら、そりゃもちろんあるに決まってる。でも、でもだな。ほとんど溶けかけている脳みそでプライドがなんだなんて考えてられるか?ほとんどの人間は無理だろうな。かくいうリアムも……まァ、ちょっと。ほんのちょっとだけ考えたけど。すぐやめた。考えたところで、じゃあ上になりますかと言われたら、それのほうがずぅっと最悪だったのだ。
「おれは…………うけいれる側、でも、いい」
すきにしてくれ。ばちん、と一瞬だけ視線が合った。リアムの目が逸らされたあとも、アリッサはまん丸とした目でリアムを見つめる。このとき、もうリアムはあまりにも恥ずかしいことを言ったと思って、アリッサの方を見れなかったけれど、アリッサはそれはそれは恐ろしい顔をしていた。見ておけばまだやめられたと気づけたのにね。
だって、明らかに捕食者のぎらぎらした目だった。
気を抜いたら喉に噛みつかれそうな。や、そんな事しないけど。よしと合図を出したら多分する。多分どころじゃなく絶対する。そのくらい、その一言は最悪だった。アリッサは、リアム看守だって嫌だろうなと思って、せっかくふつうの……生物的に。一般の方法を提案してやったのに。
可哀想に。リアムに選択肢なんてなかったようなものだったな。そのままうんと頷いても最悪だっただろうし、そうでなくてもこれは最悪の一言になってしまった。それでも、まだ最善を尽くす余地はあったかも。最悪の中での最善ね。まあカスだな。
「……準備、できますか。ひとりで。」
「…ぁ?………あ。…、………で…。……………」
「…………手伝います。大丈夫です、嫌なようにはしませんから。」
リアムが『準備』の意味を理解して、それから逡巡して黙った。この男は知ってるのではなかったか。黙っていたら相手の言いように解釈されるのだと。要するに、頭が回っていないのだな。代わりにアリッサはそれはよく頭が回っていた。そうか?ほとんど本能に近いもので回転なんかしてないと思うけど。にしたって、いつもより判断基準も思考のプロセスも効率化されている。だって本能に従ってるんだからね。だから余計なものは全部削ぎ落とされている。今だってほら、もう確定したみたいな言い方をした。
それから。
それから?それからね。それからは…ひどかった。この、準備というのが、本当にひどくて。最悪だった。何度死なせてくれと思ったことか。見られながらだぞ。もう最悪。さすがにその最中は大部屋に出ていったけど。こんなに酷い仕打ちを受けたのに、萎えなかったのがもっと最悪。媚薬の効果なのは分かっていたけど。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
怒られそうなのでおわり