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救護室からロビーへ向かう廊下。
律の隣を歩くだけなのに、世界が少し違って見えた。
――歩幅を合わせてくれている。
――私のこと、ちゃんと気にかけてくれている。
ただそれだけのことなのに、胸の奥がじんわり温かくなる。
痛みも不安も、不思議と和らいでいった。
(律さんと並んで歩くだけで、こんなに特別に感じるなんて……)
顔を上げると、律の横顔が静かに灯りに照らされていた。
その穏やかな表情に、華の胸はまた大きく跳ねた。