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『友達以上、恋人未満』
第2話「なんで気になるんだよ」
次の日の朝。
「おはよー、湊!」
教室に入ってきた悠真が、いつも通り湊の席にやってきた。
「おはよ」
「昨日のメッセージ見た?」
「見た」
「よし! 今日も一緒に帰ろ!」
「……うん」
いつもと変わらない会話。
だけど、湊は昨日のことを思い出していた。
――「俺らただの友達!」
悠真が笑いながら言った言葉。
「……湊?」
「ん?」
「ぼーっとしてるけど大丈夫?」
「大丈夫」
「ほんと?」
悠真が顔を近づけてくる。
「近い」
「え? そう?」
「……そう」
湊が少しだけ顔をそらす。
「変なの」
悠真は笑って、自分の席へ戻っていった。
その日の昼休み。
悠真はクラスの友達に呼ばれて、楽しそうに話していた。
湊は遠くからその様子を見ていた。
「……楽しそうだな」
すると、隣の友達が言った。
「湊ってさ、悠真のこと好きだよな」
「……は?」
「いや、めっちゃ見てるじゃん」
「見てない」
「じゃあ、今誰見てた?」
「……」
答えられなかった。
放課後。
いつものように二人で帰る。
「今日さ、寄り道していかない?」
「どこ?」
「新しくできた店!」
「いいけど」
「やった!」
悠真が嬉しそうに笑う。
その笑顔を見て、湊はまた思った。
――なんで俺、こいつのことばっかり気になるんだ。
「湊?」
「……何?」
「顔赤くない?」
「赤くない」
「ほんと?」
「ほんと」
「ならいいけど」
悠真は何も気にせず歩いていく。
湊はその隣を歩きながら、小さく息を吐いた。
まだ、自分でも答えは分からない。
ただ一つだけ分かることがある。
悠真が誰かと楽しそうにしていると、なぜか少し寂しくなる。
そして――
悠真が自分の隣にいると、それだけで安心する。
「……変だな、俺」
誰にも聞こえない声で、湊はつぶやいた。
――第2話・終
もくもくもくもく(旧nono)
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コメント
1件
うわ、もうすごくいい……! 第1話で悠真が軽く言った「ただの友達」が、第2話で湊の中でじわじわと効いてくる感じがすごくリアルでした。友達に「見てる」って指摘されて答えられなかったり、隣にいるだけで安心するのに「なんで」って自分に問いかける湊の心境、すごく丁寧に描かれてる。まだ答えは出てないけど、その"気になる"の正体が何か――読者も湊と同じ目線で確かめたくなる、そんな距離感の描写が絶妙でした。次の展開が待ち遠しいです!