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『友達以上、恋人未満』
第3話「意識しちゃう事件」
次の日の朝。
「湊、おはよー!」
教室に入った悠真が、いつものように湊の席へやってくる。
「……おはよ」
「なんか今日、眠そうじゃね?」
「昨日ちょっと遅くまで起きてた」
「え、何してたの?」
「……別に」
湊は、昨日のことを思い出していた。
――悠真が誰かと楽しそうにしていると、少し寂しい。
そんな自分の気持ちが、まだよく分からない。
「湊?」
「え?」
「ぼーっとしてた」
「……なんでもない」
悠真は不思議そうに湊を見る。
「まあいいや。今日も一緒に帰ろうな!」
「……うん」
その言葉だけで、湊の気持ちは少し軽くなった。
***
放課後。
「じゃ、帰ろーぜ!」
「うん」
二人で廊下を歩いていると、前からクラスメイトがやってきた。
「お、また一緒じゃん」
「いつも一緒だよな、お前ら」
「そう?」
悠真は笑っている。
すると、そのクラスメイトが何気なく言った。
「湊って、悠真のことになると反応違くね?」
「……え?」
湊の足が止まる。
「そうそう。悠真がいるときだけちょっと楽しそう」
「え、マジ?」
悠真まで湊を見る。
「……そんなことない」
「いや、あるって!」
「ない」
「絶対ある!」
みんなが笑う中、湊は顔をそらした。
そして、隣を見る。
悠真はいつも通り笑っていた。
その笑顔を見ていると、なぜか胸が少し苦しくなる。
――俺、本当にこいつのこと……。
「湊?」
「……なに」
「帰ろ?」
「……うん」
二人はまた並んで歩き出した。
でもその日から。
湊は、悠真を見るたびに、昨日までとは少し違う気持ちになるようになっていた。
そして悠真もまた――
「なあ湊」
「ん?」
「最近さ、なんか俺のこと見る時間増えてない?」
「……気のせい」
「ほんと?」
「ほんと」
「そっか」
悠真は笑った。
湊はその笑顔を見ながら思った。
――やっぱり、こいつの隣が一番落ち着く。
まだ二人の関係に名前はない。
だけど確実に、
「ただの友達」ではなくなり始めていた。
コメント
1件
おお、3話読み終えたわ。クラスメイトの一言で湊が自分の気持ちに気づき始めるの、めっちゃリアルだった。悠真に「見る時間増えてない?」って言われて「気のせい」って返すとことか、もう完全に意識してるじゃんってニヤニヤしちゃった。まだ「友達以上」の名前はないけど、距離が縮まってる感じがじわじわ来るなあ。続きが気になる〜🔥