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先生「ゆ、ユウカが黒服の娘?」
黒服「えぇ、そうですが…その呼び方的に家の娘を知ってる様ですね?」
先生「う、うん…家計簿着けてくれたりしてくれて、お金を使うととユウカに凄く怒られちゃうの…」
黒服「……どうせ無駄遣いですよね?」
先生「ぐぅ…ユウカと同じ考えなのかよぉ」
黒服「………親子だからだと嬉しいのですが」
先生「嫁さんはどんな人なの?」
黒服「そうですね…真面目で努力家でした…」
先生「へ~ならユウカは嫁さんに似たんだね?」
黒服「そうですか…ならば家の娘は見た目も妻にとても似ているかも知れませんね?」
先生「へーユウカに頼めば写真を見せて貰えるかもね?」
黒服「どうでしょうか…彼女は恥ずかしがり屋で写真に写ろうとあまりしなかったので…」
先生「ふ~ん?ユウカは恥ずかしがり屋では無いよ!多分…」
黒服「ふふ、色々と気になる事が多いですねぇ」
先生「あ!ならさ、ユウカと会ってみる?明日は丁度ユウカが当番なんだよねぇ!」
果たして私にユウカを娘と呼び、会う資格は有るのだろうか…ユウカを助ける為とは言えどその時から私は居なくなり、妻に子育てを任せて消えたクソ野郎なのだ…妻にはどれだけの迷惑を掛けただろうか…だが、もし叶うのならば…一目で良いからユウカと妻を見てみたい。幸せに生きているのだろうか…
黒服「見てみたい…なぁ」
先生「よっしゃ!ならば明日シャーレに来てよ!成長した娘を見てみたいんじゃないのぉ?」
黒服「あ、いえ!そんな別…に……いえ、見てみたいです。過去から逃げ続けても意味が無いでしょうし…何よりも…」
あの頃で止まってしまったあの娘の姿…いったいどんな姿に成ったのだろうか…
先生「ほら見たいんじゃ~ん」
黒服「ふふ、そうですね…これが親心でしょうか?」
先生「母さんもそんな気持ちだったのかな……」
家の母親はそう思ってくれていたのだろうか?…あの私達に無関心で自分の事にしか興味のなかった自己中心的な人だ。当然思わないだろう…あんなやつみたいにならない。そう思い、頑張ってきたが…結局形は違えど同じ様な家庭に成ってしまった…これも全て私の性以外の何物でもない。あぁもしも今出来ることが有るのならば……
先生「そろそろ解散かなぁ…仕事も有るし…過去も聞けたし!」
私は妻とあの娘の為ならば何もかも捨てるだろう。当然私の二回目の命ですら…
先生「お~い?黒服~?」
あの娘にしてあげられなかった事、妻にしてあげられなかった事、今出来る全てを使ってあの娘達の幸せの為に…
先生「なぁ~にボケェっとしてんじゃい!」
黒服「す、すいません。少し考え事を…」
先生「私は仕事しに帰るからね!奢るって言ったんだからちゃんと払ってよ?バーイ!」
黒服「はい、さようなら」
明日はユウカと会う…心の準備は未だ出来てはいないが、今は、今だけは酒の力に頼るのも悪くはない…
店員「お会計は16万6600円で~す」
先生の分も中々の値段だが、気づけばとんでもない量の酒を頼んでいたようだ
黒服「カードで」
店員「あっざっしたぁ~」
明日ユウカに会いに行くと言うのになんと不吉な数字だ…
黒服「6が3個…色々と用心しなければいけませんね」
さて…明日、ユウカの為に何か買って行かなければ
コメント
4件
うーん、ユウカも黒服という父親にも思うところがあるだろうね…… 会合が楽しみだぁ