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【水縹と紫苑の行く末】
nk×sm 死ネタ含む
部屋に差し込む光で目が覚める。一体何時間寝ていたのだろうか。ぐっと伸びをして、朝食を取る必要も無いから、そのまま窓から外に飛び出した。
毎日当たり前のように歩いた通学路を、噛み締めながらゆっくり歩く。あんなに嫌だった学校に、今ではもう一度行きたいと願っている。だかれせめて、気分だけでも味わいたかった。遅刻したって誰にも怒られやしないんだから、好きなようにしよう。
寄り道ばかりした結果、学校についたのは始業時間よりもかなり遅い時間だった。
ふわりと空を飛び、3階にある自分の教室に行く。自分の机は、まだそこに残されていた。椅子に座ろうにも椅子を引くことができないので、諦めて机に座る。
隣の席のきりやんは、ぼーっと外を眺めていた。広げられたノートは真っ白だ。席を立って彼の顔を覗き込んでみたが、その視線は俺を通り越してどこか遠くを見つめている。まぁ見えないんだから当たり前だ。どうすることもできず、また机に座り直す。
黒板をチョークが叩き、小気味よいリズムを奏でる。ノートに文字を書く音と、先生の声だけが教室に響く。
しかし、ただ授業を眺めているのも暇だ。早々に飽きが来てしまった俺は、教室を抜け出した。
今しかできないことをしたい。そう思ったからには行きたい場所は一つしかない。
目的地に向けて、階段を一番上まで駆け上る。
そう、屋上だ。
普段は鍵がかかっていて立入禁止の屋上。今なら行けるはずだ。
屋上の扉を通り抜けると、そこには開けた空間が広がっていた。
「うわぁ……!」
一面の青空がそこには広がっていた。空を飛んだらもっと高いところまで行けるけど、それとこれとは別だ。遮るものはほとんど何もない。
風が吹き抜ける。
床に大の字に寝転がる。吸い込まれそうな程高くまで、空は続いている。
あの上まで飛んでいけたらいいのに。
あいつらと、この景色を見れたら良かったのに。
そんなこと思ったって叶いっこないのはわかってる。でも、夢ぐらい見たかった。
色んなことを思いながら、空を眺める。どれ位時間が経っただろうか。ほんの数十分な気もするけど、何時間もここにいたような気もする。
流石にもう十分だ。起き上がって、階段まで戻る。来たいならまた来ればいい。
扉をすり抜け、階段を降りる。しかし、そこで予期せぬことが起こった。
階段の下から、誰か歩いて来た。何も無いここに何の目的があるかは分からないけど。
自分が見え無いことは分かってるけど、何の意味もなく階段に座って待ってみる。だんだん足音が近づいてくる。
そこに現れたのは、親友のきんとき。
「……えっ」
「な、Nakamu……?」
彼の瞳は、誰にも見えない俺の姿を捉えていた。