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タワーからしばらく歩くと駐車場があった。そこには黒い1台の車が止まっていた。「ようウィローさん!準備が早いね!」
風樹が軽やかに挨拶する。
「そりゃどうも。こんにちは、君がさっきの天界人君とちびっ子かい?」
「誰がちびだ」
「おっとこれは失礼。俺はウィローと言う。風樹と同じ総務課だ。今回送迎を担当させていただくよ。」
軽くウィローと名乗る彼は自己紹介してほしそうな顔でこちらを見てきた。
「俺は翠、こっちのちびっ子はディアさんだ。」
「待て翠お前今なんて」
「そうか、これから長い付き合いになりそうだからよろしく頼むぞ。」
車に全員が乗り込み、車が動く。
「さて、改めて説明しましょう。」
風樹が口を開き説明する。
「これからあなたがたが行くのは地図の東側に見えるリベルテ研究院です。」
ディアさんの持つ地図を一緒に見た。
大きな施設が見える。
「そこで、あなたがたには様々な実験をしてもらいたいのです。」
「ほう」
「先程も言いましたが、意思疎通が図れその上戦意を持たない天界人は前例が少ないのです。データの採集のためにも手を貸していただくと幸いです。」
「なるほどな!…でも」
「どうかしましたか?」
「実験が終われば我らはどうすればいいんだ?これから下界で生きるも何も、下界のことに無知な我らは生きていけないぞ!」
確かに、と言わんばかりの空気が流れる。
「それもそうか…じゃあ、研究が終わるまでに考えておこうか?」
「また仕事が…はあ。」
要するにこれからを決めるのはこの人たちって言うこと…?!それ大丈夫なのか…
と思っていたが、今はそうするしかないようだ。
「ありがとうございます。こんな得体の知れない俺らに色々してもらって…」
「これくらいなんてことない。大丈夫だ。」
ーーーー
その後しばらく車を走らせているとそれらしき大きな施設に着くことができた。
「これから僕が案内します。終わったら研究員に連絡するようお願いしているので、迎えに来ますね。」
というと、車をおりた。
施設の中はとても大きかった。フロアには受付があり、その後ろにはどういう原理か海が広がっていた。
魚が泳ぎ、海藻が揺れている。
何ふに構わず風樹は行くものだから、とりあえずついて行く。
「こんにちは。今日は…」
受付の人にこれ以上語らせないように風樹は名札を見せた。
「あっ、入館許可を確認しますね。」
何やら色んなことをし始めた。
ジジッ、ジジッと紙を発行して、
「どうぞ。2階N塔208です。」
「N塔は…ああこっちです。着いてきてください。」
歩いていく中で不思議なものを沢山見た。
相変わらず海は続いているし、まるで美術館を彷彿とさせるような道も続いていた。美しい。
「はい、着きましたよ。ここが208です。研究員はこの中で待っていますから。」
というと、扉を開けた。
入ればそこは殺風景な部屋だった。普通に机と椅子があり、観葉植物が申し分程度にひとつある。
「なんか思っていたのと違う…」
とディアさんが小声で言うものだから、確かにそうだ、と思ってしまう。
「こんにちは。ん、あなたたちが例の…」
「そうです。バルドさん、あとはよろしくお願いしますね。」
「では俺はこれで。」
風樹は扉を閉めた。
ああ、まあ…という感じでバルドと呼ばれる研究員はこっちの方を向いた。
「うん…見たところあんまり人間と変わりは無いみたいだね。ん、ちょっとそこに座って。」
「あのこれ貰ったんですけど…」
「あっ、ありがとう。これで全部?」
「はい。」
「分かった。」
「それじゃあ、今からまず質問をするね。」
これから何を聞かれるのだろう。
3話終わり
今回でてきたキャラ
ウィロー
2課の職員。みんなの頼れる先輩。
バルド
大人しい。今はね。