テラーノベル
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「あの…さ。勇斗に聞きたいことあるんだけど、いい?」「なに?」
「…その、何年も俺の事好きでいてくれた時にさ」
「うん」
「…勇斗の想像の中の俺は…勇斗に抱かれてた?それとも抱いてた?」
「……」
思わぬ質問に面食らった。
想像の中の…俺が想像した仁人の姿。
…何度も想像した。
堪えきれずに、妄想の中の彼を俺は何度も抱いていた。
こうなったらいいな、よりももっと人間の…男としての本能の部分で。
「……答えてもいいけど…てかいいのかな」
「…いいよ。教えて?」
「…抱いてた」
「……」
「…けど仁人がどうしたいかはまた別の話だからね?」
物凄く恥ずかしいことを告白させられている。
目の前にいる相手をどんな妄想で犯していたか、これ程恥ずかしい告白はないんじゃないだろうか…。
「…俺、大丈夫だから」
「…」
「俺が…勇斗を受け入れるから」
「……」
「だから…」
「……」
「勇斗が俺の事…抱く側でいいから…。」
「……嬉しいけど…ただ…その、俺もその…リアルでそうなるのは初めてだから…」
「…俺だってそうだよ」
「うん…そうだよね」
「…そんなに怖がんなくていいよ」
「…でも、仁人の身体も、俺傷つけたくない」
「…やってみないとわからないな」
「う…うん」
俺の方が完全にひよってる。
「勇斗と…早くそうなりたい」
「…じゃあ、準備とかいるよね」
「…そうね」
「一緒に、しよう?」
「…ちょっと恥ずかしい」
「…うん…でもほんとにいいの?」
「いいよ」
何度も確かめる俺を凛とした目で見つめる仁人。
嬉しさと恥ずかしさでどうにかなりそうだったが、ここまでお膳立てして貰ったからには俺がちゃんと答えないと。
「ちょ、ちょっと調べてもいい?」
「…ふは、いーよ」
「うん…」
「俺も調べよ」
かっこ悪い程生々しいけど、ちゃんとしたい。
二人でソファに座りながら男同士の目交いについて調べた。
これでいいのか?でもこっちにはこう書いてるよ。じゃあそれでやってみる?うーん、本当に合ってるのかな…
そんな風にやけに具体的に打ち合わせをした。
これからめくるめく…なんて色気はもう既にないけど、二人で決める共同作業をしているようで俺は内心とても嬉しかった…。
「…よし。」
「うん」
「これなら大丈夫かも」
「…アレは買わないと無いんじゃない?」
「…ローション?」
「うん」
「…いや…ある」
「え!?」
「実は…もう買ってまして」
「…ちょ、待ってっ、ははっ」
「ご、ごめん」
「なんだよそれ、めちゃくちゃやる気だったんじゃんッ」
…すげー笑ってる。
「…一応、用意はしておかないと、と…」
「ふふ、もー。お前のそういうとこ、めっちゃ好きだわッ」
「…ふふ」
つられて笑ってしまった。
仁人があんまり嬉しそうに笑うから。
もっとスマートに…とか、もっとロマンチックに…とか思っていた自分がどうでも良くなる。
「あの…じゃあまずお風呂入ろうか」
「うん、勇斗先行っていいよ」
「え?いいの?」
「うん。…一応最後に掃除とかして出てきたいし」
「…そんなの俺がやるよ」
「…恥ずかしいから」
ここで初めて仁人が恥ずかしそうに目を伏せた。
…頑張ろうとしてくれているんだ。
絶対に、丁寧にしよう。
絶対に傷付けないように。
「行く前にもっかい」
「…ん」
「…じゃあすぐ戻るからね」
「うん…」
触れるだけのキスをして、俺は風呂へ向かった…。
全身を洗った後は軽く綺麗にして風呂を出た。
ドキドキする。
緊張もしてきた。
「……仁人ー、風呂いいよー」
「うん」
「手伝えることあったら呼んでね?」
「…わかった」
顔を少し赤くして仁人が風呂へ向かった。
色が白いので紅潮するとすぐにわかってしまう彼が、これからどんな姿になるのかもう頭が妄想を始めてる。
一人で風呂に向かう後ろ姿すら愛しくて、気持ちが高まるのを感じる。
思ってた通りの。恋人になった姿。
可愛くて男前で、俺の愛しい恋人。
…ベッド、シーツ替えとくか。
………
「…おかえり」
「…ただいま」
「お水飲む?」
「あ、うんありがと」
二人で水を飲む。着々と準備が進んでいて、何だかとてもシステマチックだ。
「髪、乾かす?」
「うーん…」
「俺が乾かしてあげるよ」
「…いーの?」
「うん」
さっき使ったドライヤーを手に取り仁人を足の間に挟むように座らせた。
ブォー…
「……」
「……」
柔らかい髪を指でときながら風を送る。
後ろから見た彼のうなじが色っぽい。
ココにキスしたいなあ…。
「…んっ」
「…」
ドライヤーを掛けたまま、吸い寄せられるようにうなじにキスをした。
早く…乾かさないと。
少しペースを上げながら髪を乾かしていく。
早く仁人に触れたい。
彼の身体を暴きたい。
優しく追い詰めたい。
欲望がどんどん漏れ出てきてちょっと焦る。
優しくしないと。
ゆっくりと愛したい。
ずっと夢見てきたものが今もう目の前まで来てる。
逸る気持ちを抑えるように、冷静になれるように…深呼吸をした。
カチッ
「…うん。ふわふわになった」
「…ありがとう」
背中を向けたまま仁人が小さく礼を言った。
肩幅の小さい背中。
ふわふわの明るい色の髪の毛。
覗いた白いうなじ。
ふんわりと後ろから抱き締めた。
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