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 あっという間に中学を卒業して、明日から晴れて夢の高校生、、。

 僕にみんなと同じ、夢の高校生活が送れるだろうか。

 不安ばかりを胸に膨らませながら、明日から僕の高校生活が始まる。

1・登校初日

「さくら、ほとんど散ってる」

 先週お花見したばかりのさくらが散っているのが、ほんの少し寂しかった。

 そんなことを思いながら、僕は少し不細工なさくらの木のある家の敷居をまたいだ。

 玄関前に立って、インターホンを鳴らす。

「はーい!ちょっと待ってくださいね!」

 ドタドタと忙しない音をたてながら、元気だが優しい声の主が、ドアを開けてくれた。

「彰くん!いつもごめんね〜、あの子今起きたところなのよ」

「いえ、僕が少し早く来すぎただけなので、気にしないでください」

「やっぱり彰くんはいい子ね〜。うちの子はほんと、はぁ…。

 入学式くらいちゃんと早起きすればいいのにね!」 

「まぁ、でも時間ならまだありますし、今から準備すれば十分間に合いますよ」

 そうは言ったものの、 たしかに、入学式くらい早く起きればいいのになぁ。

「あれ?彰。もう来てたんだ。おはよ」

 女性の後ろから低く眠そうな声が、僕に話しかけた。

 ボサボサの髪、よれたトレーナー、寝起きだけど、男らしい綺麗な顔。

 彼は、神本桜志。僕の幼馴染だ。

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