「ヒナチャンオッハヨ〜!」
「ひゃぁっ!?」
どうやら悪夢は続くらしい。
昨日の願いははるか遠くの神様に届くことなく、今日も幻が見えた。
「いつまでミクはいるのよ…」
「ズットダヨ、ワタシハヒナチャンノオトモダチダカラネ」
「友達って….」
どうやら、ミクにとって私は友達らしい。
「あらぁ、2人ともおはよう」
「オハヨウ、オバアチャン」
「あんたのおばあちゃんじゃないって…」
私が寝たあと、随分仲良くなったようだ。昨日の今日というのに、まるでご近所のおばあちゃん達のように話が盛り上がっている。
(そういえば、おばあちゃん、ボカロ好きだったっけ…)
何を隠そう、おばあちゃんは大のつくほど、ボカロ好き。若き頃は曲も作ってたとか…
「私、学校遅れちゃうからもう行くね。」
「ガッコウ?ナニソレ!ミクモイキターイ!」
「絶対ついて来んな!!」
まさか学校にまでミクが来たら大騒ぎになる。それは正直避けたい。目立ちたくないから。
「おはよ」
「おはよう!雛ちゃん!今日は一段と目の下のクマが酷いこと」
「うっさい」
「今日、谷川の授業自習だって」
「そう、よかったわね」
「もう少し興味もとうよ〜」
この子は、「郷石 芽荽(さといし めに)」
最近仲良くなった人。カースト上位からハブられていたところ、委員会を通じて仲良くなった。
ハブられた理由は、めにが、他の子の好きな人をふったかららしい。くだらない話しだけど、めには、かなり傷ついた。
帰り道、ぼんやり川を眺めながら泣き続ける姿にいてもたってもいられなくなり声をかけたら、それがきっかけとなり仲が深まった。
今はこんなにも元気で、泣いてる姿なんて想像も出来ないというのに…
人ってわからないものだな
「〜〜!」
「ーー!!!」
今日はやけに廊下が騒がしい、帰りは混むから早めに教室から出たのにもう人だかりができている。
「雛ちゃん、聞いた?校門に初音ミクがいるって!」
「……は?」
私は大急ぎで駆け出した
「ヒナチャーン!ムカエニキチャッター!」
「バカっ!!何してんのよ…!」
「エエ!?」
「皆騒いでるじゃん!!」
「デモデモ、ヒナちゃん、カエルトキマイゴになっちゃいソウデー」
「私は子供か!!」
私はミクの腕を強めに引っ張りながら、足早に帰って行った
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩
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