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小学3年生の頃。
実采とは掃除場所が一緒だった。
私が通っていた学校は毎学期掃除場所が変わるため、なかなか慣れない環境だった。
担当の3年生から6年生までの人達が集まって掃除をするのだ。私は、あまり他学年の人と仲良くしないため、掃除時間は凄く残酷だった。
「ちょっと!男子ちゃんと掃除してよ!」
4年生の女の子が言った。
「分かってるよ!」
反抗的に返した男の子。
その時だった。
男の子が水入りバケツに引っかかって近くにいた子に水が掛かってしまった。
それが私。遠形実だ。
男の子は凄く私に謝ってきた。
特に私は気にしなかったので、すぐ許せた。だか、制服は濡れていてまともに掃除はできない状況に至っていた。そんな所でハンカチを差し出してくれたのは中野実采だった。
「大丈夫?!これ使って!」
実采がいった。
私は放心状態で
「あ、ありがとう…」
と言った。
掃除時間が終わり、廊下を歩いているところ実采が話しかけてきた。
「さっきは災難だったね〜!もう大丈夫?」
実采は心配した様子で私を尋ねてくる。
「大丈夫だよ。ハンカチ、ありがとう」
早く教室に戻りたいと思っていた私。
「良かったー!名前、なんて言うの?私、中野実采だよ!」
突然と名乗るから少し私は驚いてしまった。
「……遠形実」
「実ちゃん!よろしくねー!」
「うん」
素っ気ない態度をしているように見えるが、内心。私は凄く嬉しかった。
この記憶の先___現在に至る。