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みなさんこんばんはtakuです。
いいねありがとうございます。
前回の続きからです。
第8話へgo
衝突(かっちゃんvs 轟くん)
夕日の残滓が消えかけた廊下。
三人の影が、張りつめた空気の中で揺れていた。
僕はまだ胸の奥がざわついていて、
呼吸も浅いまま。
逃げ出した足が震えている。
その沈黙の中で、最初に動いたのは——
かっちゃんだった。
「……おい、轟」
低く、押し殺した声。
こんな声を僕は聞いたことがない。
轟くんが静かに視線を向ける。
「何だ、爆豪」
一瞬の間。
そこに、決壊した感情が溢れ出す。
「てめぇ……なんで平然としてんだよ」
轟くんの眉がわずかに動いた。
「出久があんな顔してんのに……なんで、落ち着いていられる」
「落ち着いてなんかいない。お前こそ——」
「違ぇよ!!」
かっちゃんの怒鳴り声が響いた。
デクがびくりと肩を震わせる。
轟くんの目が、かすかに細まる。
「……爆豪。声を荒げるな。出久が——」
「優しくすんなよ」
その一言に、轟くんが静かに目を見開く。
かっちゃんは拳を固く握り、
喉の奥で言葉を噛み千切るように続けた。
「てめぇの“優しさ”が……アイツを追い詰めてんだよ」
僕の息が止まる。
轟くんはしばらく黙り、そして低く返した。
「それは……お前もだろう」
かっちゃんの目がギラリと光った。
「はァ? テメェ……」
「違うと言えるのか。お前の独占欲は、出久を縛る」
ぴり、と空気が張りつめる。
かっちゃんが一歩前へ出る。
轟くんが一歩、受けて立つように足を進める。
二人の影が重なり、緊張はさらに濃くなる。
「テメェに言われたかねぇよ。中途半端に優しいだけの男がよ」
「お前こそ、乱暴に腕を掴んで……それで守れるとでも思ったのか」
「……っ!」
僕の脳裏に蘇る。
訓練後、爆豪の手が肩を掴んだあの瞬間。
守られたはずの熱が、苦しかった。
轟くんの冷たい視線。
それが二人の間を切り裂いた。
(やめて……)
言おうとしても、声は震えて出ない。
かっちゃんと轟くんは、僕はの沈黙すら踏み越えて、向かい合う。
「俺はな……ッ」
爆豪が低く吠える。
「デクが傷つくのが耐えられねぇんだよ!!」
その声に、轟くんの瞳が揺れた。
「俺も同じだ」
静かだが、言葉に熱がある。
「ただ……お前みたいに力任せじゃない。出久の気持ちを置いてきぼりにしたりしない」
「は、言うじゃねぇか。だったら何でアイツ泣きそうなんだよ」
轟くんの喉が、ひゅ、とかすかに震えた。
その瞬間、二人の間に走るのは――
互いの“想い”の大きさ。
どちらも引かない。
どちらも譲れない。
そしてその中心にいるのが、逃げることもできない僕。
胸が締め付けられる。
二人の声が、自分の名前を挟んでぶつかり合うたび、息が苦しくなる。
(やめて……やめてよ……)
二人がもう一歩近づいた。
ついに腕が触れ合う距離。
かっちゃんの爆ぜるような呼吸。
轟くんの張り詰めた空気。
いまにも殴り合いになりそうな瞬間——
「やめてっ!!」
僕の叫びが、三人の間の空気を破った。
かっちゃんも轟くんも、
一斉にデクを振り返る。
涙が滲んだ目で、デクは二人を見返していた。
「もう……喧嘩しないでよ……」
声は震え、今にも泣き崩れそうだ。
「僕のことで……ぶつからないで……お願いだから……」
静寂。
かっちゃんの肩がわずかに下がり、
目を逸らす。
轟くんもゆっくり息を吐く。
だが、
ぶつかり合いが収束したわけではなかった。
火種はそのまま、二人の胸に燻っている。
その視線の奥には——
どちらも決して譲る気のない、強い感情。
そしてそれは、 デクの心をさらに揺さぶる“次の展開”へ続いていく。
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