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巨大な炎が黒煙を上げて、大地で踊り狂っているのを目の当たりにして、俺は熱い冷や汗を掻いた。汗は滴となって、地面に落ちる前に瞬時に蒸発した。
「こりゃ、凄いな……全然、前に進めないぞ……」
まるで、炎を纏った竜巻が幾つも発生しているかのようだった。
けれども、目を凝らしてみると、幾ばくかの隙間が発生している。
炎の中を、なんとか通れそうだった。
「よし!」
俺は冷たい飲み物を、クーラーバッグから取出し、頭からかけた。
そして、隙間目掛けて、全力ダッシュ。
……
走る。走る。走る。
後ろを振り向かずに、俺は炎の竜巻の隙間を走り通った。地面の浅い穴に張ってあった海水を踏むと、少しは身体の熱を下げられた。
「ゼエッ、ゼエッ!」
無我夢中だった。
辺りは燃え盛る火炎の音しか聞こえない。
炎の無数の竜巻が途切れた。
俺は、更に下層へ向かう洞穴を見つけた……。
よし! あそこまで……なんとか無事に行ければ……。