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「ただ少し丁寧に拭きすぎたのか、思い切り勃起させてしまった。次から気をつける」
さらに勃起という単語までためらいなく出てきて、見られた僕の方が赤面してしまった。そうだった。彼女はリクという男の性器を見慣れているから、今さら異性の勃起した性器を見ても気にならないということか?
見てショックを受けるのも困るが、全然気にされないのもヤリマンみたいというか、純真さに欠ける気がして幻滅してしまうのだけど、僕が童貞だから小さなことをクヨクヨ気にしてるだけなのだろうか?
あっけらかんとした彼女の説明を聞いて、なんというか男の僕が見られたことを気にしてるのが馬鹿らしくなった。ただ次はないように願いたいものだ――
と全部水に流す気になったのに、また彼女に爆弾を落とされた。
「もしかしてちんちんが小さいことを気にしてるのか? リクの勃起してないときと夏梅の思い切り勃起したときが同じくらいだった。でもリクもよく言ってたが、それはリクのが普通より大きすぎるだけだ。全然気にしなくていい。ボクは夏梅の未使用のちんちんを見て、生まれたばかりの子猫みたいでなんてかわいいんだ! と好感を持った。思わず頬ずりをしてしまったくらいだ」
目まいがした。僕の意識がないのをいいことに何をしてるのさ……
これ以上小さいだかわいいだと言われるのは耐えられなかったので、洗濯中の僕の衣類は学校に持ってきてもらうことにして、もう帰るねと彼女に告げた。
彼女に見送られて玄関で靴を履いていると、父親と弟も顔を出して、さっき取り上げられた十万円をまた返された。
「その十万は菊多が何度も絞め技でおまえを落として失禁までさせてしまった迷惑料としておまえに返す。ただし、もしまたおまえが映山紅を傷つけるようなことがあれば、今度はあんなもんじゃすまないからな!」
まだ誤解されたままだった。もう何も言い返す気力もなくて、伏魔殿のような彼女の自宅から僕は無言で逃げ出すように走り去った。