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僕らの詩 ~Our Lifetime~

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僕らの詩 ~Our Lifetime~

5 - 笑顔の宝石

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2022年09月01日

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「高地、今日は行ける?」

いつも来る部屋、いつもの優吾のベッド。

ジェシーが声を掛けると、「うん。なんか今日はね、いい感じ」

「良かった!」

2人で部屋を出て、朝ごはんを食べに食堂へ。

「今日のお粥さんはなにかなぁ」

「お前毎朝それ言ってるよな」

「だって楽しみなんだもん。樹と北斗いるかな」

「どうだろう」


今朝のメニューは、フルーツ粥だ。1口サイズの果物が、宝石みたいに散りばめられている。たまにこういう珍しいものも出てくる。

少し離れたところに、2人がときどき見かける男性と話している樹を見つけた。

「あ、樹だ」

「ほんとだ。あれは……京本さんだっけ」

「たぶんそういう名前だった」

会話してるから呼びかけるのはやめておこう、となった。

「うん、うまい」

「美味しいね」

目を見合わせ、にこりと笑う。

すると、「あの…」

控えめな声が前方から聞こえる。2人が顔を上げると、

「お水ってどこにありますか?」

トレイを持った男性が聞いてきた。

「あ、奥のほうのテーブルに置いてありますよ」

ジェシーが答え、立ち上がって案内する。

「すみません、昨日来たばかりで……」

水を取りに行った2人が戻ってくる。

「良かったらお隣どうぞ」

優吾が空いた席を勧める。

「いいんですか?」

嬉しそうに言い、優吾の隣に座った。

「俺、ジェシーっていうんだ。カタカナで。こっちが高地優吾。高地って呼んでて」

「ジェシーくんに、高地くん。俺は、森本慎太郎です」

まるで子どもみたいなあどけない笑顔で言う。

「じゃあ慎太郎!」

旧知の仲かのように、いきなり距離を縮めるジェシー。彼もまんざらでもない表情だ。

「俺もジェシーって呼んでいいかな?」

「もちろん!  こいつは苗字でオッケー」

「こいつって言うなよ笑」

慎太郎は2人と一緒にニコニコと笑った。


ジェシーが建物の中を見て回ろうというので、3人で歩き出す。

「ここが樹の部屋。田中樹っていって、俺の最近できた友達。隣は松村北斗っていうの。北斗も新しい友達。2人一緒の日に来たらしいよ」

「へえ」

慎太郎は興味がありそうな目で、ネームプレートを見る。

「でこっちが俺の部屋」

少し行ったところで、優吾が言う。「ジェシーはあそこ」

1つづつ指をさしていく。

「じゃあ俺の部屋はみんなより奥だね」

慎太郎は、もう少し歩いたところで立ち止まった。

「うん、ここだ。もう覚えた」

振り返って笑う。

「じゃあまたね」

ジェシーと優吾も笑顔で、ドアの向こうに消える彼を見送った。

「…なんか弟みたい」

「そうだね」

初対面の人にそう感じるのも、「家」のような施設の効果だろうか。


続く

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