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ちょっと海春に用事がある――と伝えて、

いったん利緒とわかれた俺と海春は、花束を海春の自室に飾るために、彼女の部屋にむかって並んで柱廊を歩いていた。

しっかりと花束を両腕にかかえた海春は、うれしそうにしているけれども、ときおりどこかさびしそうな、胸の痛みを感じているような、そんな表情をしていた……。

きっと、さきほど利緒から聞かされた言葉に動揺して、思いつめているのだろう。

――『あたしたち、セラフィナの聖女やらラザラスの聖女やらとして、この世界の人たちにいいように利用されそうになってるのよ……!』

――『あいつ――レインみたいな、自分の利害のためにあたしたちをだますような男のいる国を、あたしたちが守ってやる必要はないのよ……!』

――『あんただって、彼やこの国の人たちにだまされてたんだって、利用されてただけだったんだって、気づくはずだから――!』

取り乱した利緒が口走ってい**************

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