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スマホの通知が、絶え間なく明滅する。
画面に躍る、見覚えのある名前、知らないアカウント、冷やかしの絵文字。
「これが本物?」
「設定凝りすぎw」
「痛すぎて草」
隠していたはずの私の聖域が、今、クラス中のスマホの中で晒し者にされている。
……恥ずかしい。
心臓がギュッと縮まって、胃のあたりが冷たくなる。
今まで物語で綴ってきた、あの絶望も、Yukiへの想いも。
あいつらにとっては、ただの「暇つぶしのコンテンツ」でしかないんだ。
「……っ、ふざけないでよ」
剥き出しにされた心は、深く、冷たい縹色《はなだいろ》に沈んでいく。
でも、不思議だね。
底まで沈みきったら、なんだか急に、あいつらの騒ぎが遠くの雑音みたいに聞こえてきた。
「ああー、でも、バレたなら、もう『隠し事』なんて一つもない!」
私は、震える指でキーボードを叩く。
羞恥心で真っ赤になった顔を、縹色の静寂で上書きしていく。
あいつらが見ているのは、ただの「過去の私」だ。
でも、今この瞬間に私が紡ぐ言葉は、あいつらの想像を遥かに超える「本物の色」なんだから。
「……ねえ、見てるんでしょ? だったら、最後まで見届けなよ。私の物語の結末を」
私は、19話の投稿ボタンに指をかけた。
恥を捨てて、誇りを選び取った、私の決意の緋色の**「最終ログイン」**を。