テラーノベル
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生徒会の会議室。
呼び出されたのか、それとも「問題児」としてそこに立たされているのか。
ずらりと並んだ役員たちの、あの「正義」を盾にした無機質な視線。
テラーでバレた「Amia」としての私の活動が、ここでは「風紀を乱す行為」として裁かれようとしている。
……バカみたい。
規律、ルール、伝統。
そんな水で薄めたような言葉を並べて、私を「洗おう」としているみたいだけど。
「……めんどくさいな」
私は、自分を糾弾する生徒会長の声を、耳元で鳴るノイズのように聞き流した。
あなたたちが私を洗うんじゃない。
この、誰かに押し付けられた「朱色(正解)」を、私自身の意志で何度も何度も洗い落としたんだ。
「洗朱色(あらいしゅいろ)……って、知ってますか?」
私は、会議室のテーブルを指先でなぞった。
「は…?」
濁った期待や、見栄や、あなたたちの言う『普通』。
そんなものを全部、洗い流して、最後に残ったのが、この純粋な私の色なんだよ。
「……洗朱色、本来の朱色が持つ『緊張感』を水で流して、もっと『軽やかで自由な空気』に変えたような色」
もう、いいか。
「もういいですよね。帰ります、さようなら」
ポカンとする生徒会長を背に、私は会議室の重いドアを押し開けた。
廊下に出た瞬間、肺の奥まで冷たい空気が流れ込んでくる。
あんなに息苦しかった「正義」の箱庭が、今はもう、ちっぽけな砂場遊びにしか見えない。
「……はぁ。終わった」
壁に背中を預けて、深く、長いため息をついた。
コメント
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生徒会役立たず笑