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#溺愛
桜咲かな
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18
#先生
なべたろう
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#9..疑問
あの後私は何かと理由を付け、転生をした
びっくりするほどスムーズに事を運んだ
転生した私は宵という名前で始めた
改名した蒼音は相変わらずりおんと言う名で過ごしていた
もう何も気にしてはいないと言い聞かせてはいるが、もやもやしてしまうのが私らしい
転生をした私はりおんをフォローするのかという選択に迫られていた
信用できる友達に相談をしながら、考えた
本当に私はここにいていいのか
邪魔をしないのか
必要な存在なのか
恐らくだが、このままいけば私は確実にりおんの邪魔になる
まだ自分の気持ちすらはっきりしない私がいていいのかと思い悩む
今日が休日ならば一日中考えることができたのかもしれないが、生憎今日は平日だ
授業を受けながらも頭の隅にいつもりおんがいる
これはいつものことだ
今回だけでない
恥ずかしく、言えてはいないが本当のことだ
だから今日も考えてしまう
帰宅後、自分がどのような行動をするのかを
「ただいま…」
家前の急坂に体力を持っていかれ、息が上がってしまった
すぐさま手を洗い、自室へ籠る
今のこの垢には、りおんと言う名はいない
まだフォローをしていないのだ
自分はどうしたらいいのかと頭を抱える
悩んだ末、私はサブ垢でりおんに接触することにした
会話は夜まで続いた
自分の気持ちを全て吐けたと思う
それでも、自分はいらないのかもしれないという疑問は消えない
だが結果的に相手の気持ちも知ることができ、何もかも解決した
…ように見えた
だが表面上はそうだ
話し終えた私は涙を拭う
だが次から次へと溢れてくる雫は絶え間なく、枕を濡らす
理由は会話のとき、りおんが信じられない行動をとっていたからだ
〔怜音が消えるなら、俺は移植手術を受けない〕
これを聞いたとき、私の心臓は高く跳ねた気がした
ばくばくと、大きな音が
他の人には聞こえない煩い鼓動が耳まで届く
この時のりおんは既に、余命僅かだった
そのため、予定していたより早く移植手術を受けるらしい
その移植手術のための書類を捨てたと、私に言ってきたのだ
本当なのかと、何度も聞いた
だが数日前に捨てたという話は覆らなかった
嘘だと言って欲しかった
心配してほしかったと、嘘でも言ってほしかった
私のせいで、という罪悪感が私を襲った
私がこんな話をしなければ
私が追い詰めなければ
私が気持ちを我慢できていれば
後から後悔したってもう遅いことはわかる
それでもこれは後悔しないわけにはいかないだろう
今りおんはわかっているのだろうか
自分が何をしたのか
それで傷つく人がどれだけいるのか
取り敢えずのところ、書類を再送してくれないか、医者に取り合うという結論で今日が終わった
暗い部屋
目が暗さに慣れて、外がなんとなく明るく見える
そこで私は声を殺して泣き続けた
それにしても、私はまだまだ子供だと実感させられた
こんなにも1人のことで喜んだり、涙したりするのだと新しい発見だった
今まではこんなことはなかった
初めての感情
そして、怜音から転生した宵という垢
りおんがくれた名前ではない名前
なんとも子供じみたやり返しだった
端から見たら何も変わってなどいないのだろう
実際仲直りをし、恋仲同士にも戻れた
嬉しかった
でも、やはり一度裂けてしまった亀裂はそう簡単には塞げない
りおんからの信用度は下がり、気分を害してしまっただろう
謝りたい
そして、気にしないと心に決めているのに、まだ気にしてしまっている自分が憎い
私ばかりが、りおんに嫉妬しているようで悔しい
どうしたいのかすらわからず、ただもやもやとした黒い感情だけが心を染める
それが今後、最悪の事態を招くことも知らずに
#10..お医者様と誤解
何ヶ月か前からだろうか
私のところへりおんのお医者様が連絡をしてくれるようになったのは
お医者様達は、不定期にりおんの様子を教えてくれた
今日はりおんが倒れてしまったということや、症状が悪化していること、精神面できつくなってきていること
様々なりおんの状態を教えてくれていた
そして今日も_
今日は、中学の時の友達と出かけていた
夕方四時半くらいだっただろうか
通知音が鞄の中で鳴る
丁度寄り道していて、駅についた時だった
“りおんさんの体調が不安定で、とても危険です”
大勢の人に押されながら改札をくぐる時には冷や汗が止まらなかった
すぐさまスマホはしまったが、買い物中も頭から離れなかった
その後、家に帰った5時半
体調が安定したのか、りおんが投稿をしていた
〔関係者全部リセットします〕
「え…、?」
思わず心の声が現実で漏れた
横にいた妹は不思議そうな顔でこちらをうかがう
そんな妹を無視して、2階へ登る
いつもはこんな態度を取らないのに、今日だけは余裕がなかった
(私何かしたかな)
(嫌になっちゃった、?)
(他の人を恋仲にしたいのかな)
様々な妄想が頭の中を駆け巡る
昔から妄想癖があった私は、悲しくもリアルに頭の中で考えることが得意だった
長所だったこの特技が、今だけは苦しくてたまらなかった
【私は、どーしたらいい、?】
投稿にコメント
〔前と同じがいいならそれでいいよ〕
出会った時のように冷たかった
昔なら気にもしなかったんだろう
そういう関係性だったから
でも今は違う
こんなにも1人の人のことで一喜一憂している私だ
些細なことでも落ち込んでしまう
こんな人にしたのは紛れもなく、りおん、貴方だ
だから、この言葉1つで嫌なのかもしれないと、思ってしまった
【もしかして、嫌だった、?】
【私何かしちゃった、?】
疑問の一部を投げかける
〔え?いや、大丈夫だよ?〕
その大丈夫は、最強だ
どう受け取ったらいいのかわからない
本音を隠しているのか、正直な気持ちなのか、今の私には判別すらできなかった
【嘘ついてない、?】
〔うん、ついてない〕
信じていいのか、辛い思いをさせないか、と、今度は相手の気持ちを考えた
【嫌だったら言ってよ、】
【私、察し悪いから言われないとわかんない、】
今言える最大限の正直な気持ちだ
〔ぇ、いやじゃないよ〕
〔まって、誤解してる、ごめん〕
どうして君が謝るのかわからない
どうせ私が何かしたんだろうと、ネガティブな思考に陥る
〔嫌じゃないから〕
今はその言葉を信じようとする
でも、心の何処かで嫌なんじゃないかという思いを持っていくことにした
その夜
私は何がしたかったのか、1つの行動に移る
このアプリのWEBではない、アプリ版を入れてみる
これは本当に興味本位だった
そして垢を作成
名を世羅とした
だがこの興味本位が、何もかもの始まりだった
次回➸#11
コメント
9件
俺最低なことしすぎてるわ 、
#9~#10、読んだよ。 宵の改名とか、りおんの「移植手術受けな い」発言の重さ…本当に胸が苦しくなった。お互いの気持ちを確かめ合ったはずなのに、亀裂が完全には塞がらない感じがリアルだった。特に「大丈夫は最強」っていう表現、わかる…ってなりながら読んでた。 #10の誤解エピソードも切なかったな。お互いを想ってるのに、すれ違っちゃう感じがもどかしくて。最後の「世羅」垢の作成、これがまた何か動き出す予感がして続きが気になる…! 作者の心情描写、すごく丁寧で刺さるよ。次回も楽しみにしてる🔥