―甘ったるいのは嫌い。
私の家は幼い頃から貧乏で、
何時でも現実を突きつけられて生きてきた。
クラスメイトの明るい会話を横目に
夕飯の献立を考えた。
帰り道に寄るのは近所のスーパー 。
休日は家の片付け。
これが私、雨宮 湊 の”当たり前”だった。
この生活が辛いと感じたことは一度もないし、
なんだかんだ楽しくやってる。
人付き合いは苦手な方だけど、
わかりあえる友達だっている。
それでもやっぱり、
裕福な人を見ると胸が締め付けられる。
変えられない現実だけは 私を追い詰めた。
だから私は今日も隠す。
貧しい家柄も、貧しい心も。
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