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ネアポリスの昼下がり


強い日差しが照りつける街中。

人々は、その規格外の暑さに苦しむ

…訳でも無く、窓を開け、ジェラートやシェケラートを堪能し、自分なりに過ごしながら猛暑に耐えている。


決して苦では無いとは言い切りがたいが、それでも、彼らなりに満喫している方であろう。


普通であれば。



ジョルノ・ジョバァーナは幼い頃から太陽の光に敏感であり、長時間浴びては、体調を崩す というなんとも不便な体質であった。

その為、基本的には数十分程の外出、学生寮ではブラインドを下ろし、なるべく窓からの光も遮断して太陽の光を避けて過ごしていた。



ある日、1人のギャングと出会った。

その男の名は ブローノ・ブチャラティ


その男と一戦交えた僕は、段階を踏み、彼の組織に加入した。

幹部からの命令により、僕らは言われた通り 任務を遂行をしていたつもりが、当たり所が悪かった と言うべきか、その日は特段日差しが強かった。


(あれが普通であるならば、僕はどうなんだ?)


横を過ぎる人々を横目に、

独り言を呟いている余裕も無い口からは、乱れた呼吸だけが行来ゆききしている。


(早く、任務を終えて、室内へ戻らなければ)


しかし、目的地まではまだ道のりがあり、数分歩いた程度じゃ到着しそうにない。だからといって、元来た道を戻るには無理があり、どちらにせよ諦めを持てないまま、 日陰を選び、壁にもたれながらも必死に前を進んでいた。


(皆の為にも、僕の為にも、こんなことで立ち止まってはいられない…だからこそ、前に進まなくてはならないのに……)


頭では分かっているのに、足が思うように進まず、額には汗が滲み、髪が張り付いている感覚に嫌悪感を抱くも、それを正している余裕は無く、段々と視界が霞んでくる。


意志の強さで足を進めていたジョルノだが、

突然目の前が真っ白になり、


意識が遠のいていった




「ジョルノ!」


遠くで名を呼ぶ声が聞こえる。

中々目的地へ到着しないジョルノを心配したのか、誰かが迎えに来たのだろうと、微かに目を開け、目の前を確認すれば、世界は横転しており、白いスーツを纏った彼が目視できた。


「ブチャラティ…」


「大丈夫か?意識はありそうだな、近くの喫茶店にでも入ろう。乗れるか?」


こちらへと駆け付けてきた彼は、しゃがみ込み、僕に背を向け、心配そうに様子を伺っている。

多分、僕を背負うつもりなんだろう。

意図を察した僕は、気怠げに上半身を起こすと、ブチャラティの背へと腕を伸ばし、たくましい背中へと身を預けた。


「すみません、ブチャラティ…任務が…」


意識が微かに残った頭で今すべき事を考え、言葉を紡ぐも、 ブチャラティに真摯な様子で答えを返されては、それ以上の無駄足掻きをやめた。


「無理をするなと言っただろう。任務の遂行はアバッキオとミスタに任せた。」


と 言いながら僕を喫茶店まで連れて行けば、影のできる場所を選んで、僕の為にシェケラートとティラミスを頼んでくれた。




「今の所、それなりに順調に進んでいる。」


食べ物には何にも口をつけず、喋ろうとする僕を読み取ってか、喋る前に答えを受け取った。


「…ありがとうございます、ブチャラティ。」


陽光を避け、数分が経過した頃。

ある程度回復した僕は、貴方に礼を告げようと 顔を上げてブチャラティの表情を伺えば、 任務中の気を引き締め 凛とした表情の彼ではなく、たまにしか見せない柔らかな表情の彼がいて、 こちらの様子を見ては、満足そうに微笑んでいた。


「気にするな、無事で何よりだ。それよりも、アバッキオとミスタに礼をする事を忘れるなよ。」



「ええ、帰りには何か買って帰る事にします。」




「ああ、それならイチゴケーキと良いワインを買って戻ろう。」

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