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悲しくないよ、愛だとか。

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悲しくないよ、愛だとか。

5 - 第5話 君のメガネは何色?

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2025年03月30日

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だんだん暑くなってきた7月

今日はオーナーの家で食事会だ。


ちょっとキレイめの服装でおめかしをする


「今日はクマがひどいな……もうコンシーラー無くなってきてるのに……」


憂鬱な気分だが、オーナーの誘いなら断れない……

よし…頑張ろう




重い腰をあげて、タクシーに乗る




でっかい門のプール付き一軒家に到着する!!

「おぉ……」


ここがオーナーのご自宅か……

さすがホテルも経営しているだけあって、すごいお家だ…………


ちょっと緊張してきた……

こんな服装でよかったのかな……と身なりを確かめつつ、呼び鈴を鳴らした



お家に入ると玄関にはシャンデリアと、よくわからないヘビと象のオブジェがある……

どれも高価なものだろうから、近づかないように恐る恐る前へ進む。


オーナーの奥様はとても綺麗で品がある

でも、ちょっと発言にトゲは感じられるが……


「あら、あなたクマがひどいですわね〜寝れてないのかしら?身だしなみは女性の基本よ!それぐらいできなきゃ〜 」

「はい…!」


そんな奥様の言葉でさらに憂鬱な気持ちになりながらも、笑顔を崩さないように接する。



すると………



くんくん……

「わぁいい匂い…!」


「でしょ〜〜♪うちの息子は料理上手なの〜

名門大学に出て、英語も喋れて、料理もできて多才♪」


「息子はファッションセンスもあるのよ。昔フランスの先生に褒められた事があったわ〜。

あなたのちんちくりん体型に似合う服装も、あの子なら見つけてくれるわよ♪」


ひ、一言多いな………


「さ、入って。息子を紹介するわ」


「はい…! 」

どんな人だろう……?トゲがないと良いんだけど…

「おっすぅー!!」

あ、ワイワイ系だ………


私が苦手なタイプぅー!!


「俺、裕貴ひろたかっていいまーす!31歳独身でーす☆」

なんか、もう関わりたくない!!!


「えっと…新海結乃です…!よろしくお願いします。今日はお招きいただき……」


「そう固くならないの!楽にして良いんだから楽に☆」


「は…はい」

私含め、他の従業員たちが美味しい食事を堪能する。

料理は本当にどれも美味しくて、プロレベル!

すごい才能だなと思った……


なんだか自分が惨めに思えてきた


私は少し席を外してお手洗いに行った。



「ふぅ……やっぱクマ酷いよな……」


「はぁ……」



一人になると泣きたくなる


自分が嫌すぎて消えたくなる


このどうしようもない劣等感と自分への絶望感でくるしくなる


「あれ……また泣けてきちゃった……(笑)」


笑って誤魔化して、自分にまで嘘をつこうとしたけど無理だった。


涙がとまらない………


ずっと溢れて……声を出して泣いてしまった


「ふぅ……」


トイレのドアを開けて部屋に戻ろうとすると…廊下に裕貴さんが立っていた。


「えっと…お料理とても美味しいですね!本当、プロレベ……」

と…喋りかけると、途中で裕貴さんの声に遮られる。


「ねぇ、泣いてたでしょ?」


「え……?」


「いや、泣いてたでしょって。なのに何で無理して笑ってんの?」


「いや………その………泣いてませんよ!」


「いや、嘘つかないでよ(笑)わかるよ、鈍感な俺にだって。なにか嫌なことあった?うちの母の事で嫌な思いしたとか…?」


「いえ違います!ただ………」


「なになに、話してみ?」

その優しさに負けて、私は友達を失ったこと、失恋したことを打ち明けた。


すると………


「そうかー……まぁ、出会いはこれからもあるんだしさ!気の合う人、きっと見つかると思うよ!」


「はい…!そうですね!ありがとうございます!」


「よかったらさぁー俺の知り合いにおもしれーやつがいるんだよ。ちょっと変かもしれないけど、めっちゃ思いやりのあるやつでさ!」

「そいつの連絡先教えようか?良いやつだし、一度話してみるといいかも!」


そうやって、裕貴さんはその方の連絡先を教えてくれた。


その人がどんな人か分からないし……ワイワイ系なら嫌だなと思いつつも、善意を断ることができなかった。

連絡する気はなかったが、一応電話番号が書かれたメモを受け取った。


食事会が終わり、また何かあったらいつでも連絡してと言われ、裕貴さんと電話番号の交換をした。



数日後………

〈ピロン 〉

スマホの通知音が鳴る

「んー?」

部屋のベッドで寝転ぶ私はすぐに飛び起きた


「え…これって……」

通知の内容は、裕貴さんの知り合いという人からのメッセージだった。


まさか相手から来るとは想像していなかった


「なになに……」


そのメッセージの内容は………今度お会いできませんかというものだった………




考え込んだすえ、会うことにした………


それが、私の運命を変える出会いになるとは知らずに……




〈約束の 日〉

「んーと、噴水広場に着いたけど……いないなぁ……確か眼鏡をかけてて黒いジャケットの男の人だよね…… 」

私は、裕貴さんの知り合いの方を探す

「あ… 」

「あっ!」

目の前に、それらしき人物が現れた!

「ど、どうも!!はじめまして!」

私が元気に挨拶をすると

「はじめまして…宇部遥真うべ はるまです。」

大人しそうな優しい声で挨拶をしてくれた。

身長は私と5センチぐらい違うかなーという感じで、小さな口元が可愛らしい


見上げると、ふと彼の頭に目がいく。

寝癖だろうか?

漫画のようなアホ毛が飛び出していてつい笑ってしまった。


「笑わないでください…寝坊したんです。なんせ、毎日パソコンに向き合っていて忙しいので…」


「そうなんですねー!いつもお疲れ様です!」

「眼鏡、お似合いですね!」

「いえ…そんな事は…」

「私の話って、裕貴さんからお聞きしたんですよね…?だからご連絡くれたんですか?」


「はい。ちょっと喋ってみたいなぁと……質問していいですか?」


「はい!」



「新海さんのメガネは何色ですか?」


眼鏡??

私、眼鏡なんてしてないけど…

宇部さんの質問に、私は首を傾げた。

悲しくないよ、愛だとか。

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