「ゆずたんいいなぁ~一条様にキスされるなんて!」と羨ましそうな目で見る翼くんと「ゆず!そこ変われ!!!!」と駄々をごねている
僕だって変わりたいよ…普通のαと恋愛して結婚したいし…
一方的に行為を寄せられたって困るだけだよ…
「ま、もう昼放課も終わりだから教室に戻ろうか!」と翼くんが言ったところでもうそんな時間か…と思いながらかおりくんと僕は翼くんにまたね~と言って教室に戻った
教室に着くと、後ろの方で机に項垂れている唯くんが目に入った
急いで駆け寄って話しかける「どうしたの!?唯くん!!!」と言うと少し顔を上げて「うぇ?あ、ゆずくん…いや…まぁちょっと…」とまたうつ伏せてしまった
「ちょっとって何?僕でよければ相談に乗るよ」
「ありがとう…ゆずくん…この際だから話そうかな…僕の運命の番の事だよ…」と泣きそうな顔で言ってきたところでチャイムが鳴ってしまった
「あぁ、帰りに話そ!」
「うん…僕はとことん運が悪いオメガなんだ…」とネガティブ唯くんに鳴ってしまった
唯くんのことを気になりつつも授業を受けた
そして、帰りのSTが終わったあと
「唯くん!話そ!」
「う、うん…」と顔のひきつっている唯くんを踊り場のベンチに座らせた
「なんだか、懐かしいね!ここで唯くんの運命の番と会ったんだったけ?」
「そう…」ともっとテンションが下がってしまった
「その…悩んでることって、やっぱり、運命の番さん?」
「うん…実は…というより知ってるかもしれないけど…4限目が終わったら僕連れてかれちゃうから…運命の番さんに…で、今日かおりくんとゆずくんと名前が分からない子と楽しそうに話してたから…僕だけこんな嫌な運命の番を持っちゃったんだ…って思っちゃって…いや、ゆずくんが悪いわけじゃないし、むしろ抵抗しない僕が悪いんだ」
確かに、今日も唯くんは連れていかれてたし、僕が話しかけなかったのも悪い…
「ごめんね…こんな話しちゃって…」とポロポロと泣き出しちゃった
「あ、唯くん、僕も振り回されてるし!唯くんだけじゃないよ!!!僕はいつもプリンの誘惑に負けちゃってるし…唯くんの運命の番はすごく唯くんのこと好きなんだよ!!」
「うーん…でも…でも…」と下向いてもっと泣いてしまった
声をかけることができなくて、頭を撫でてあげようと手を伸ばして撫でる
「唯くん、だ、大丈夫だよ!なんとかなる!」と慰めていたら「何が何とかなるんだ?」と上から聞いたことのある声がして「うわっ!びっくりしたぁぁ」と思わず言ってしまった
「迷える俺の子羊ちゃんはどうしたのかい?慰めたりして」
「俺のって…まぁいいや…その、唯くんの運命の番…月城先輩に振り回されているらしいんです、僕みたいに!!!」
「・・・まるで、俺が振り回しているみたいな言い方だな…まぁいい…ゆずたちの話は全て聞かせてもらった、困っている生徒を助けるのも生徒会の勤めだ、颯太には俺から伝えておく、さぁ、唯だったか?早く帰れ」
「なんですか!その言い方!唯くんが可哀想ですよ!」
「俺だって、何十分も待ったんだから…」と不貞腐れて言うと「ゆずくん、一条様、ちょっとは楽になったんでありがとうございました」と言って走って言ってしまった
「あぁ~一条様のせいだぁぁ~」
「俺のせいなのか?俺だってゆずと一緒に居たかったんだよ、俺の隣はゆずだけなんだよ」と言っておでこにキスされた
コメント
4件
体調良くなったんですね! 今回もめっちゃ面白かったです! そして、一条様にこうお伝えください 月城様に注意するのはいいですけど、あなたも気をつけてくださいねって
一条様はゆずちゃんがとても好きなんですね~でも唯くんが可哀想… ゆずちゃんとは反対に翼くん達めっちゃ羨ましそう! 続き待ってます!