テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
玄関のポーチに出ると、冷たい夜風が首元に流れた。
「それじゃあ」
俺は革ジャンのジッパーを上まで上げた。
「待って」
彼女は俺の頬にキスをした。
ポーチの階段を降りて、フェスティバに乗った。キーを廻すと、マフラーの壊れたエンジン音が鳴り響いた。
窓を開ける。
彼女はポーチの柵に座って、素足をばたばたさせながら、手を振っている。
ギアを一速に入れてアクセルを踏むと、フェスティバは家路へ向けて走り出した。