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こんなに何書いてきてるんだろう? そう思いながら、封筒をあけて、
その中身に、あたしはゾッとした。
あまりのショックに、叫び声を上げて、
あたしは、中身ごと封筒を壁に投げつけていた──。
封筒の中には、手紙が何枚も何枚も折りたたまれて入っていた。
そのひとつずつに、
「僕の全てを愛してください」
と、のたくったような文字で書かれていて、
そうして、その下に、
体の全部の毛が、
それがどこの毛なのか説明付きで、
一本、一本、
テープで貼り付けられていた。
あまりの気色悪さに、見た瞬間、吐きそうになった。
なんでこんなもの、受け取らなきゃいけないの?
何なの? 「僕の全てを愛してください」って?
バカじゃないの?
……狂ってる。
だけど、これが、
あたしがアイドルをやってるからっていう、偽りのない現実なの?
一度届くと、そんなファンレターは、まるでそれが始まりの合図だったかのように、いくつも送られてくるようになった。
同じ人からではなく、何人も、何人もの異なるファンから。
切った髪の毛、爪、
コンドームに詰められた精液に、
明らかに、自分が使ったとわかるワリバシ、スプーン、ストロー、
一度はいたとしか思えない女性ものの下着までも……。
おかしいとしか感じられないものは、次から次へとリオの元に送られてきた。