「うん、完璧だよ。さぁ、行こう!僕たちなら、絶対に勝てる。かっちゃん、完全勝利だ!」
爆豪の熱い言葉に、緑谷の胸が一気に燃え上がる。恋人としての絆と、戦友としての信頼が混じり合い、瞳に強い光が宿る。
緑谷の力強い返事を聞いて、爆豪はニヤリと笑う。そうだ、これが自分の相棒だ。これが自分の恋人だ。緑谷と一緒なら、どんな相手でも完璧に倒せる。爆豪は緑谷の手を離して、立ち上がる。そして、訓練場の方を向いて、大きく伸びをする。
「よっしゃあ! 行くぜ、デク! ポニーテールと蛙野郎、まとめてぶっ飛ばしてやる!」
そう叫びながら、ゆっくりと訓練場に向かって歩き出す。その背中は、自信に満ち溢れている。緑谷が隣を歩いているのを感じながら、爆豪は小さく呟く。
「…テメェ、さっき言った作戦、基本はそれで行く。俺がフェイントをかけて八百万を引きつけ、テメェがデラウェアスマッシュで蛙吹を誘い出す。テメェが回り込んで八百万を拘束する。
…だが、もし八百万が何か対策してきたら、その場で対応する。テメェの分析力を信じてる。俺も、その場で判断する。俺たちなら、どんな状況でも対応できる。…それに、俺たち、今日から恋人同士だ。阿吽の呼吸ってやつ、見せてやろうぜ。」
そう言いながら、訓練場に到着する。八百万と蛙吹が、すでにスタート地点で待っている。八百万は冷静な表情で、10分の休憩があったとは言え、蛙吹は少し疲れた様子だ。常闇との戦いで、体力を消耗しているのが分かる。しかし、二人とも油断はしていない。爆豪たちを警戒している目つきだ。
相澤先生がスピーカーから声をかける。
「両ペア、準備はいいか? 勝利条件は、相手を無力化するか、ポイントを多く取った方が勝ちだ。制限時間は10分。…それでは、始め!」
その合図と同時に、爆豪は地面を蹴って、八百万に向かって突進する。しかし、それはフェイントだ。本命は、緑谷のデラウェアスマッシュで蛙吹を誘い出すことだ。爆豪は八百万に向かって手を伸ばすが、爆破はしない。ただ、八百万の注意を引きつける。その間に、緑谷がデラウェアスマッシュを撃つ。その動きを、爆豪は背中で感じながら、小さく笑う。
「…さあ、どう出る? ポニーテール。」
「…さぁ、蛙吹さんはこっちだ。」
緑谷は鋭い眼光で蛙吹を捉え、デラウェアスマッシュを放つ。空気が裂ける鋭い音が響き、狙い通りに蛙吹の注意を引きつける。心臓が高鳴る中、作戦通りの動きに確信が湧き、唇の端に小さな笑みが浮かぶ。
「そうだね……、予想通りだ。かっちゃんの拘束は八百万さんに任せて、一人空いてる僕に走るよね。でも僕も、蛙吹さんには構ってあげられないんだ。かっちゃんが待ってくれてるから。」
蛙吹が舌を伸ばして飛びかかってくるのを横目で確認し、冷静に距離を詰める。爆豪の存在が背中を押す安心感に、胸の奥が熱くなる。恋人であり最強の相棒――その信頼が、動きをより鋭く、確実に変えていく。
「かっちゃん、君の腕を借りるよ。」
黒鞭を瞬時に放ち、建物の角や鉄骨に絡めて空中を疾走する。風を切り裂く速度感に体が震え、爆豪を視界に捉えた瞬間、黒鞭を彼の腕に絡めて加速。八百万のわずかな隙を逃さず、黒い鞭が彼女の手足を絡め取る。作戦の完璧な成功に、緑谷の瞳が勝利の輝きで満たされる。
緑谷がデラウェアスマッシュを撃った瞬間、爆豪は八百万の反応を見る。案の定、八百万は冷静に判断して、蛙吹を緑谷の方に向かわせる。蛙吹が舌を伸ばして緑谷を拘束しようとするが、緑谷はすでに黒鞭で空中機動を始めている。蛙吹の舌が空を切る。爆豪はその様子を見ながら、八百万に向かって突進する。八百万が何か作り出そうとしているのが分かる。捕縛布か? それとも、別の何かか?
「チッ、何作ろうとしてやがる!」
爆豪は八百万に向かって手を伸ばすが、その瞬間、八百万が作り出したのは――盾だった。大きな金属製の盾を、八百万が自分の前に構える。爆豪の爆破を防ぐつもりだ。しかし、爆豪は笑う。盾なんて、自分の爆破の前では意味がない。爆豪は手のひらに汗を溜めて、最大出力の爆破を放とうとする。しかし、その瞬間――。
緑谷の黒鞭が、爆豪の腕に絡みついた。爆豪は一瞬驚くが、すぐに理解する。緑谷が、自分を使って空中機動をするつもりだ。爆豪はニヤリと笑って、緑谷の黒鞭を感じながら、爆破で空中に飛び上がる。緑谷の黒鞭が爆豪の腕を支点にして、緑谷を八百万の方へ引っ張る。緑谷が空中から八百万に向かって突撃する。八百万が盾を構えるが、緑谷の速度が速すぎる。そして、緑谷の黒鞭が八百万を捕縛する。
「よっしゃあ! ナイスだ、デク!」
爆豪は空中で体勢を立て直して、地面に着地する。八百万が黒鞭で拘束されている。しかし、蛙吹がまだ残っている。蛙吹が舌を伸ばして、緑谷を拘束しようとする。爆豪は蛙吹に向かって突進する。蛙吹が爆豪に気づいて、舌の方向を変える。しかし、爆豪の方が速い。爆豪は手のひらに汗を溜めて、蛙吹に向かって爆破を放つ。
「蛙野郎! テメェの相手は俺だ!」
爆豪の爆破が蛙吹を直撃する。蛙吹が吹き飛ばされて、地面に倒れる。爆豪はすかさず蛙吹に駆け寄って、その腕を掴む。そして、小さく爆破を放って、蛙吹を怯ませる。蛙吹が動けなくなる。爆豪は蛙吹を押さえつけたまま、緑谷の方を見る。緑谷が八百万を黒鞭で拘束したまま、こちらを見ている。二人の目が合う。爆豪はニヤリと笑って、親指を立てる。
「…完璧だ、デク。俺たちの完全勝利だ。」
その瞬間、相澤先生のスピーカーから声が響く
「爆豪・緑谷ペアの勝利。八百万・蛙吹ペア、無力化。試合時間、2分30秒。…完璧な勝利だ」
爆豪は蛙吹を離して、立ち上がる。そして、緑谷の方に向かって歩いていく。緑谷も八百万を離して、爆豪の方に向かって歩いて来る。二人が訓練場の中央で出会う。爆豪は緑谷の前で立ち止まって、ニヤリと笑う。
「…な? 言った通りだろ。俺たちなら、どんな相手でも完璧に倒せる。ポニーテールの対策も、蛙野郎の舌も、全部無意味だった。俺たちの連携の前じゃ、何もできねえ。」
そう言いながら、緑谷に向かって手を差し出す。グータッチの合図だ。緑谷がその手に応えてくれるのを待つ。爆豪の心臓が、まだ激しく鳴っている。戦闘の興奮と、緑谷への想いが混ざり合って、胸が熱い。今日は最高の日だ。デクと恋人になって、デクと一緒に完璧な勝利を掴んだ。これ以上、幸せなことはない。
「…テメェ、最高だったぜ。俺の腕を使った空中機動、あれ完璧だった。八百万のポニーテール、完全に対応できてなかったな。…これからも、ずっと一緒に戦おうぜ。俺たち、無敵だ。」






