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アーサーside

「はぁ……」


部屋のベッドでため息をつく。俺の作ったウィンナーを食べさせたら、本田が倒れて早退したのだ。正直今日のは上手くできた方だし、自信があったから食べさせたのに、それでも倒れるなんて……普通にショックを受けている。


「明日謝んねぇとな…」


いつの間にか、スクールカーストなんて気にせず自分から本田と喋ろうとするようになってたことに、今の俺は知る由もないだろう。


翌日

教室のドアを開け、本田の机の方を見ると、いつものように本人がいることに安心した。これで入院とかいったらシャレにならないからな。


「おはよう」


昨日のぎこちない返事とは違う、今日は普通に挨拶ができた。本田は昨日と同じく、落ち着いて「おはようございます」と返してくれた。まるで何も無かったかのように。


「昨日は悪かったな、俺のウィンナーのせいで……」


「いえいえ、!お気になさらず。気絶しただけですし、体に影響もありませんでしたので…」


「そうか…でもやっぱり、なんかお詫びがしたいんだが…」

「……いや、別にお前の為じゃないんだからな!?俺のプライドが許せないからであって、」


「は、はい、分かりました…」


「あ、いや、」


ミスった。俺の悪い癖だ。素直になりすぎると思ってもないことを口に出してしまう。キョドっている本田を、なんとか挽回しようと引き止めた。


「や、やっぱり、お前の為……かも……」


「………ふふ、嬉しいです」


「!」


彼は優しい表情で微笑む。俺の本田への想いはどんどん強くなる一方だ。


「そうだなぁ……お詫び…」

「あ、本田ゲーム好きだって言ってたよな。明日の土曜遊ばないか?」


「はい。大丈夫ですよ」


「それで、申し訳ないんだが……お前ん家でいいか?俺ん家弟がうるさいんだ…」


「わ、私の家ですか……私の方も義兄がうるさいと思うのですが、それでもいいなら…」


「あぁ大丈夫だ。じゃあ昼からな」


「はい、分かりました」






「……なんだが、デートみたいだな」


「デッ、!?」


「い、いや、だってほら……俺ら一応付き合ってるだろ?」


「そ、そそ、そうでしたね、!」

「………わ、私トイレ行ってきます、!」


「あ、おい!」

「………行っちまった…」


たまに思うことがある。本田は本当に俺のことが好きで告白をOKしたのか?もしかしたらただの話し相手だとしか思われてないんじゃないか?とか。

嘘告といっても付き合っている設定だ。

俺が本当に本田と付き合えていることにも実感が湧かないし、俺がいつも心の中で言っている、本田への好きと言う言葉も彼に伝えた事はない。……いや、どうせ嘘告なんだから言わなくていいか。

そんな考えが、最悪の可能性があることを教えた。


もしかしたら、本田に嘘告だってバレてるんじゃないのか。



本田side

目が覚めた時には、自分の部屋の天井だった。

最悪な出来事を思い出す。そうだ、あの嘘告野郎にウィンナーと言う名のダークマターを食べさせられたのだ。気絶するほどの物だとは思いもしなかったが……、

幸い体に異常が無いことを知り、ホッとする。

その時、部屋のドアが開いたと思ったら耀さんが私のところに飛びついてきた。


「菊ー!やっと起きたあるね!大丈夫やったあるか、!?いったい学校で何されたね!?安心するよろし、我が今からそいつころ」


「あー、!あうと!あうとです耀さん!」

「私は大丈夫ですから、ほら、この通り。」


「……なら良いあるけど、困ったことがあったら、すぐ我に相談するあるよ?」


「はい、ありがとうございます、」



翌日

いつも通り教室に入り支度をしてスマホを触る。

あー、昨日ずっと寝てたせいで新刊の予約出来ませんでした……、なんて後悔してたら、いつもより早くアーサーさんが教室に入ってきた。

私と目が合ったアーサーさんは、私に向かい「おはよう」と一言言われたので、私も「おはようございます」と挨拶した。


「昨日は悪かったな、俺のウィンナーのせいで……」


「いえいえ、!お気になさらず。気絶しただけですし、体に影響もありませんでしたので…」


本当は、ガツンと言ってやりたかったが、子犬のように瞳を揺らしながらしゅん、と悲しい顔をされるとどうも口がつぐむ。相当反省の意が伝わり、私は怒りの言葉を飲んだ。


「そうか…でもやっぱり、なんかお詫びがしたいんだが…」


「……いや、別にお前の為じゃないんだからな!?俺のプライドが許せないからであって、」


「!?」


この人ってツンデレだったんですね、あまりのギャップに「は、はい、分かりました…」と、キョドった返事をしてしまった。


「あ、いや、」

「や、やっぱり、お前の為……かも……」


それに私が傷付いたとでも思ったのだろうか、彼はさっきの発言を挽回するかのように、デレた発言をしてきた。そんなこと言わなくてもツンデレで可愛かったんですけどね。


「ふふ、嬉しいです」


正直な気持ちだった。嘘告上での恋人という設定だが、可愛い後輩ができたみたいで、嬉しかったから。


「そうだなぁ……お詫び…」

「あ、本田ゲーム好きだって言ってたよな?今週の土曜遊ばないか?」


「はい。大丈夫ですよ」


「それで、申し訳ないんだが……お前ん家でいいか?うちの家弟がうるさいんだ…」


「わ、私の家ですか…」


困りましたね、

ダークマターを作った本人を耀さんと会わせるのは危険です……。昨日の夜の反応、ダークマター本人だと知ったものなら、本当にアーサーさんに危害を加えるかもしれない。

だけど、アーサーさんは素直な気持ちでお詫びを提案してくれましたし、断るのは申し訳ないですね…。


「……私の家も義兄がうるさいと思うのですが、それでもいいなら…」


「あぁ大丈夫だ。じゃあ昼からな」


「はい、分かりました」



バレずに平和に終わればいいのですが……、

そんなことを考えていたら、彼が衝撃的な一言を放った。


「……なんだが、デートみたいだな」


「デッ、!?」


顔が真っ赤になった。てか、なんで貴方が照れてるんですか、!貴方が言い出したんですよ!?



「い、いや、だってほら……俺ら一応付き合ってるだろ?」



そういえばそうでしたー、!


「そ、そそ、そうでしたね、!」

「………わ、私トイレ行ってきます、!」


「あ、おい!」



恥ずかしすぎて衝撃的にそこから逃げ出してしまった。今までアーサーさんは私と友達みたいに接してくれていたから、恋人という実感がない。

ていうか、いつネタバラシしてくるのか。それだけが気がかりだった。もしかしたら、あれは本当の告白で、アーサーさんは本当に私の事が好きなんじゃないのか……そんな可能性が浮かび上がる。


「いや、流石にですよね……」

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