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グキッ
え、グキッ……?
「花月チャン、大丈夫!?」
泰揮クンが駆け寄ってきてくれて、脚の具合を見てくれている。
「骨折はしてないかもしれないけど、少し痛めてるかも…。」
「それなら俺が保健室まで……」
「アタシが運ぶわ。先生に伝えておいてもらえる…?悠夜は1限の先生に状況を伝えておいてもらえるかしら。」
「分かりました。何かあれば連絡をしてください。」
泰揮クンに抱えられ保健室へ来た。消毒薬の匂いがする。
「先生、いないのね……アタシが手当てするから、ここに座っていてね。」
近くのソファへと降ろされる。手当の道具を探している泰揮クンはなんだか楽しそう。
「泰揮クンは……手当てするの好きなんですか…?」
「あらぁ、どうして?」
「薬を作ったり、研究室をもっているから、そういうの好きなのかなって……。」
「そうね……好きな人のためなら、何でもするわよ。」
好きな人……。
なんだか胸がモヤっとする。
「胸を抑えてどうしたの…?何か苦しい?」
「なんだかモヤっとした気がして……気のせいかもしれないですけど……。」
「それはアタシが、好きな人のためならって言ったからかしら……?」
そうなのかな……?自分でもなんだかよく分からない。今までこんな感覚ってなかったのに……
「可愛いヤキモチね。そう思ってもらえるようになったのは、少しリードできたってことかしら……?」
私の足の手当てをしながら話を続ける泰揮クン。リードってなんだろう。
「そんな可愛い顔しないの。理性が飛んだら危ないわよ。」
「理性が飛んだら……危ないの…?」
「……もう、そういう顔は男の前でしちゃだめよ。足の方は軽い捻挫だと思うから、しばらくは激しい運動はしないでね。教室まで送るわ。」
なんか、はぐらかされた気がする。