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NOside
とある町に朝がやってきた
日が昇りだし家々を橙色に染めてゆく
彼者誰時とやらだろう
そんな時間に幼い少年2国と犬が1匹歩いている
いや正しくは幼い少年1国と犬1匹が歩いているだろう
片方の少年は意識がないのだから歩いているは間違いだったようだ
2国ともボロボロで膝は擦りむけ顔も疲れきっている様だ
少年は片側に意識のない少年を
もう片側には”黒い塊”を抱えている
何があったのか
それは彼らにも分からない
卍のような模様のある国…ナチスはとある家の前で止まると
抱えていたもう一国…イタリア王国を優しくおろした
どうやらイタリア王国の家のようだ
イタリア王国はおろされてもいまだに眠り続けている
そんなイタリア王国をナチスは優しい目で見ると
茶色い犬を連れて来た道を戻りだした
犬は元気よくはねて先を歩き出したかと思えばナチスを気遣うように足元に戻ってくる
先とはいえリードをつけているためそこまで遠くはないのだ
力の有り余った子犬は何度も何度も繰り返し行き来する
ナチスは足を速めることもなく遅めることもなく山への道を歩いてゆく
やがて舗装されてない道に入り
獣道となってゆく
獣道をしばらく歩きひらけた場所に出るとナチスは棒を広い穴を掘り出した
一分…二分…彼は穴を掘り続ける
ようやく満足したのか棒を離し抱えていた黒い塊
犬の死体を穴のなかにそっと下ろした
茶色い毛の犬は亡き犬の体を見るとくぅん…と心配そう…寂しそうにナチスを見上げた
ナチスはそっと先ほど掘り返した土を被せてゆく
一回…二回…段々と黒い毛が見えなくなってゆく
ナチスが被せるのをやめた時…そこにはこんもりと小さい土の山ができていた
そこにナチスは『クロ』と書かれた木の板を立てる
ポシェットから取り出した魚型のクッキーを添えて
リュックからスケッチブックを取り出し1枚引きちぎった
そして何かをサラサラと迷いなく書き紙飛行機の形に折った
そして町の方向に向かって飛行機を投げた
紙飛行機は朝日に照らされ風に身を任せて消えてゆく
ふと…ナチスの頬に雫が流れる
止まることのないその雫は朝日に照らされ光り輝く
ナチスは声を上げることもない…声を上げる気力も何も彼にはもうないのだ
やがてその雫さえもなくなった時茶色い犬がそっと彼の手を舐めた
それに答えるように犬の頭を優しく撫でると立ち上がった
ナチスが犬につけていた赤いリードを外すと犬は嬉しそうに彼の周りを回り始めた
ナチスは弱々しく微笑むとその場にあった石を拾い上げ少し離れた場所に投げた
犬は尻尾を振りながら石を追いかけていく
そんな犬のあとをナチスも追いかける
元の獣道まで来た時犬が石を持ってナチスの足元までやってきた
もっかい…とでもいうように丸い目でナチスを見上げる
またしてもナチスは弱々しく微笑むと先ほどよりも遠く
古い木の板でつながれた小さい小川の奥の方まで投げた
犬が木の板を走り抜けた瞬間…木の板が落ちた
それに気づいた犬がナチスの方を向きワンワン…と呼ぶように吠え立てた
しかしナチスはそれに反応することなく反対の方向へと歩いていく
しばらく歩いたところにまるで威嚇をするような…
手を大きく広げたような不気味な木が奥に見える
ナチスはなぜか吸い込まれるようにその木の方へと歩いていった
途中…道の傍にあった古ぼけた木箱を持って
不気味な木がすぐ目の前に…というところまでナチスが近づいた時
彼は木箱をそっと足元に置き両足を乗せる
そして不気味の木の枝に先ほどの赤いリードをかける
悲しそうに赤いリードを両手でつかむと
彼はその頭をリードの奥につきだし
両足で跳んだ
彼者誰時(かわたれとき)
まだ薄暗く、人の顔や物事がはっきり見分けられない時間帯…黄昏時と近いが彼者誰時は夕方ではなく明け方の方だ
貴方が掴んでいる手は本当に普段の手ですか?
彼者誰時…人の顔や物事をがはっきり見分けられない時間帯…
いつの間にか恐ろしいものと入れ替わっていたり…なんてこともあるかもしれませんね