テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
誰も知らない、高嶺の花の裏側3
第128話 〚 人数が多いのに、安心な休日〛
休日。
海翔の家。
流石に、
人数が多い。
澪。
えま。
しおり。
みさと。
りあ。
海翔。
怜央。
湊。
陽翔。
瑠斗。
悠真。
リビングが、
少し狭い。
でも。
誰も、
文句を言わない。
テーブルの上には、
大量のお菓子。
――ハロウィンパーティーで
余りすぎたやつ。
(あの時の……)
澪は、
少しだけ思い出す。
でも今日は、
違う。
怖さは、
ない。
「まだこんなにあるんだけど」
海翔が言うと、
「逆にテンション上がる」
えまが笑う。
瑠斗は、
鏡を見ながら。
「お菓子食ってる俺、
今日も顔面仕上がってない?」
誰も、
ちゃんと相手しない。
悠真は、
普通にゲーム機を準備して。
「先にやる人、
じゃんけんな」
陽翔は、
一番端の位置。
さりげなく、
全体が見える場所。
何も言わない。
ただ、
そこにいる。
ゲームをして。
負けて、
騒いで。
途中で、
宿題を広げて。
「ここ、
意味分からん」
「それさ、
昨日の授業のとこ」
自然に、
教え合う。
お菓子は、
減っていく。
笑い声は、
増えていく。
誰かが
一人になることもない。
誰かが
困ることもない。
澪は、
ふと思う。
(……今日は)
(守られてる、
とかじゃない)
(ただ、
一緒にいるだけ)
その感覚が、
嬉しかった。
夕方。
外が、
少し暗くなる。
「またやろうぜ」
「次は、
もっと広いとこで」
そんな話をしながら。
誰も、
不安にならない。
誰も、
警戒しない。
この休日は、
“何も起きなかった”。
でも。
それが、
とても楽しかった。
そんな一日だった。