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誰も知らない、高嶺の花の裏側3
第129話 〚 雪と一緒に入ってきた二人〛
12月。
朝の空気が、
一気に冷たくなった。
澪は、
海翔と二人きりで登校していた。
いつもと同じ道。
でも。
途中で、
急に。
雪が、
少しだけ降り始めた。
「雪……?」
澪が立ち止まる。
風が、
冷たい。
澪は、
無意識に。
海翔の制服の袖を、
きゅっと掴んだ。
海翔は、
何も言わない。
歩く速度を、
少しだけ落とす。
二人で、
そのまま学校へ。
教室の扉を開けると、
暖房が、
ついていた。
ふわっと、
暖かい空気。
すでに来ていた
女子クラスメイト達が、
机の周りで暖まっている。
そこへ。
雪を少しだけ連れてきた、
澪と海翔。
一瞬。
教室が、
静かになる。
次の瞬間。
「……え?」
「今の、
何……?」
りあの目が、
一気に輝く。
「雪!!
二人!!
距離!!」
完全に、
オタクモード。
えまは、
口を手で押さえて。
「ちょ、
朝から尊いんだけど……」
みさととしおりは、
顔を見合わせて。
「見間違いじゃないよね」
「制服掴んでたよね」
澪は、
気づいていない。
海翔も、
気づいていない。
ただ、
席に向かうだけ。
一方。
後ろの方の男子達が、
ひそひそと話し始める。
「……あれさ」
「もう付き合ってるだろ」
「絶対そう」
噂は、
一気に広がる。
でも。
澪と海翔は、
まだ知らない。
雪が降った朝が、
また一つ、
“特別な日”として
記憶されていることを。