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「うっ!」
びくびくと跳ねる感覚
「お疲れ様~じゃあご飯にしようかぁ」
「う、うん」
なにより、原さんとそうなってからはあたしからも他のキッチンスタッフに声を掛けて、していた。
休憩になるとどこかへ出ていく人や、たばこを吸いにいく人は除いて、歳が近い人を中心に積極的に声を掛けた。
「ここのローカルルールって知ってます?」
みんな驚いていたけど、あたしはそこそこかわいいと思うし、初めは驚いててもじゃあ、と言って手を出してきた。
もちろん原さんゆずりの口止めをしていたのでキッチンの人同士でも話してないみたいだし、原さんにもあたしが他の人としていることに気付かれてなかったと思う。
そんな原さんもこの前の春に、ついに観念して就職するといって辞めることになった。
送別会で実は…とやっと本当のことを言ったのであたしも、実は初めから知ってたことを言うとバレてたか、と笑っていた。
最後に、楽しかったです、と伝え原さんと別れた。
というわけで、原さんがあたし狙いで始めた嘘のルールは、あたしによってかなり知る人が増えていた。
「このルールって本当?」
「えぇ?どういうこと?」
「その…香川さん以外のホールの人は全然言ってこないし…」
「まぁ普通に考えたらわかるよねぇ(笑)あたしはそういうルールって言われて始めたんだけど、それならって続けてたら嘘だったんだ」
「じゃあ…やめないの?」
「なんでぇ?」
「だって!…いろんな人と、その…してるんでしょ?」
「ん〜一応相手は選んじゃったりしてるけど」
「あ、そうなんだ…」
あ、なんで自分は?って思ってる。
「日高くんはね、彼女いないって言ってたし、大学は同じでも高校と違ってクラスとかあまり関係ないから大丈夫かなって」
「え、あ…そうなんだ」
「だから嫌なら言ってね」
「嫌だなんて!…他の人としてるのは嫌だけど…」
ん?これは…あたしのことを…好き?
「え〜どうして?」
「それは!それは…」
そうだよね。他の人ともしてる女なんて嫌だよね。
「嫌じゃないなら、また付き合ってくれる?あたしは休憩のいい息抜きになってるから」
「あ、うん…」
「ほら、早く食べちゃわないと休憩終わっちゃうよ」
彼氏、彼女になったらその人とだけしかしちゃいけないんだよね。あたしは今のこの自由な感じが好きなの。
幸い今のところ他の人も、付き合いたいとか外でも会おう、なんて言ってこない。
週に1、2回のあたしの楽しみ。なかなか気に入ってるんだ。
「香川さん、あの…」
「ん?なぁに?」
「…いや、なんでもない」
え…?それは…日高くん、結構あたしのこと…
だめだよ、あたしなんか好きになっちゃ。
大学では時々すれ違う。
特に話さないし、バイトでも大学のことはあまり話題にしない。
あたしと日高くんはそんな関係だった。
学校といえば高三の頃、クラスの男子がエッチなビデオを持っていると噂になった。
あたしも見てみたいと思って、押しかけ見せてもらった。そしてその時もした。
バイトの休憩中は時間もそれほど使えないし、万が一誰かが来てもすぐ隠せるようにしていたから、誰も来ない落ち着いた状況でするエッチは…よかった。
もしあたしがそういうエッチをまたしたいと思ったら…誰を選ぼう?
コメント
4件
第三話楽しみにしてます!!
第2話、読みました…! 香川さん、原さんの嘘のルールを逆手に取って自分なりの楽しみ方を見つけているのが印象的でした。口止めしながら周りに広げていくしたたかさと、「だめだよ、あたしなんか好きになっちゃ」の自己認識の間にある距離感がとてもリアルで、ぞわっとしました。日高くんの「他の人としてるのは嫌だけど」って言葉に、彼の本気度がにじんでて切なかったです。この自由な関係、いつまで続くんだろう…続きが気になります!