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⸺もうどうでもいいや部屋の隅に転がっていたコードを、なんとなく手に取った。
首にかけてみる。
震える手でぎゅっと絞めた。
苦しくなって、頭が痛くなって、視界がぼやけていく。
(……やっぱり、死ねない)
必死に息を吸い込んで、コードを外した。
首にはくっきりと跡が残っていた。
痛みと同時に、自分の弱さが胸に刺さる。
痛みも怖さも、全部押し込めて、体はそのまま床に崩れ落ちた。
気づけば朝が来ていて、カーテンの隙間から差し込む光にまぶしさを感じる。
首の痛みはあったけど、包帯を巻くことはすっかり忘れていた。
ぼんやりとそのまま制服に着替え、学校へ向かう。
ーー
一方、学校に着いた出水は、ナマエの様子がいつもと違うことにすぐ気づいた。
首元の薄い跡に気づいて、眉をひそめる。
(あれは……包帯を巻くような傷じゃない)
彼は声をかけるタイミングを探りながら、ナマエの近くに歩み寄った。