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冬を抜け、暖かさが顔を見せ始めたこの頃。新学期が始まる。
この春から高校2年生になった同級生達の喧騒に揉まれ、新しいクラスに入り席に着く。友人も居ない僕は手持ち無沙汰に窓の外を眺めた。春らしい水色の空に浮かぶ雲達は、みな同じ方向へと進む。形を徐々に変化させ、繋がり、離れ…雲とはそういうものである。
つまらない始業式を聞き流し、教師からの似通った注意やお気持ち表明を聞き流し、昼過ぎ頃に帰る。ただひたすらに時間を浪費する学校は至極つまらない物だが、人間として生きていくには必要な事だ。
自転車を漕ぎ、向かい風を億劫に感じながら帰路へ着く。これといって特筆すべき事もない、ただの日常。それでいいと思っているし、それがいいとも思っている。次の日からも、そういう日常を送るのだろうと、考えるまでもなく知っていた。
だが、くだらない日常なんてものはいとも容易く壊れるのである。