テラーノベル
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竜一は夢の中へと落ちていく。
「あぁ…今日も夢の世界へ行くのか…」
意識が遠のき、夢の世界へと誘われる。
「ん…うぅ…」
目が覚めるといつものベッドに横たわっている。
部屋から出ようとドアノブに触れようとした瞬間、
竜一はいきなり殺気を感じた。
「いる…」
この扉の向こうで怪物が出待ちしているの感じる。
なぜわかったのかはわからないが、扉に近づくと寒気を感じたからだと思う。
次の瞬間、扉の向こうから女の悲鳴が聞こえてきた。
「いやぁぁぁぁああああ」
竜一が扉を開けると、中野さきが怪物に捕まっていた。
ちょうどそのタイミングで高橋れなも自分の部屋からも出てきた。
「高橋れな!部屋に隠れてろ!!」
高橋れなは隠れ、中野さきを助けようと怪物に飛びつくが、逆に竜一が怪物にぶっ飛ばされてしまった。
ぶっ飛ばされた先は、たまたま白井拓馬の部屋だった。
「うわぁっ」
白井の部屋はガラクタだらけで部屋は汚く、吹っ飛んだ先はダンボールで奇跡的に助かった。
竜一は白井拓馬がいないことに驚いたが、目の前のことに集中した。
怪物は中野さきの左足を切断した。
「あぁぁぁぁぁぁぁあああああ」
家中に中野さきの悲鳴が響き渡る。
中野さきが目の前で殺されそうになるのを見て、竜一は怒りが込み上げてくる。
足元を見てみると拳銃が落ちている。
白井拓馬はなんと怪物を倒すために拳銃を作っていたのだ。
竜一はすぐさま拳銃を拾い、引き金を引き、怪物の頭を狙い発砲した。
「バキューン」
すると、怪物は見たことのない能力で煙のように姿を消してどこかへ消えてしまった。
竜一はすぐさま中野さきを自分の部屋に連れて行く。
中野さきの左足からはどんどん血が噴き出てきていた。
「いたい…痛い痛い痛い痛い…いやだ死にたくない」
高橋れなも部屋に入ってきて心配している。
いつもクールを装っている中野さきがこんなにも苦しそうで泣きそうな顔をしているのは初めてみる。
おそらくこのままでは大量出血で死んでしまうかもしれない。
高橋れなが自分のスカートや服を千切り、血が溢れでてくるところを抑え止血する。
竜一も上着で血が出ないように足を縛る。
「今回はあまり時間がない!赤い扉を探そう!」
中野さきはもう1人では歩けそうになかったので、
竜一がおんぶしてあげることにした。
中野さきは怖がっているのか強い力で竜一を抱きしめる。
「怖いよ…助けて…」
強く抱きしめすぎて、竜一はすごく動きづらそうだった。
3人で大広間へ向かい、前回赤色だったら正面の扉を開ける。
すると今度の部屋は物置部屋になっていた。
部屋の中は薄暗く、結構見えずらい。
足元も悪く、バランスを崩すと、すぐ倒れそうだ。
特に役にたつような道具なども落ちていないが、ひとつだけ不自然なカーペットがあった。
高橋れながそのカーペットをどかすと、なんと地下への階段を見つけた。
3人は恐る恐る更に暗い地下へ入っていった。
長く続く階段を降りる。
「長いな…」
中野さきも意識が遠のいていっている。
「起きて!」
高橋れなが中野さきを起こした。
長く続いた階段の先にはまた薄暗い部屋があったので入ってみると、その部屋にはなんと、大量の怪物が蠢いていた。
全部で20体ぐらいだろうか…
部屋の真ん中には頑丈な鉄格子があり、天井にはたくさんの剣が吊られている。
怪物達は今までの怪物とはまったく大きさが違った。
「グルルルルルルルゥゥ」
今までの怪物は2mほどだったが、この怪物達はほとんどが5mほどの巨大だった。
するとそのうちの一体が鉄格子に思いっきりタックルした。
「ゴーーーン」
鉄格子の音が部屋に響き渡った。
「ゴーーーーン」
一体の怪物がもう一体の怪物と合体し、更に大きくなった。
「ゴーーーーーーーン」
どんどん合体していき、天井に届きそうなくらいに大きくなった。
3人は嫌な予感がして、この部屋をでることにした。
「ドガーーーーーーーーーーーン」
中野さきが後ろを振り返ると、あまりに巨大になりすぎて地面に穴が空いた。
怪物は下半身が床に埋まってしまって、上半身だけになってしまっている。
怪物は長い腕を伸ばし、竜一達を捕えようとする。
「中野さきをお願い」
高橋れなが中野さきを抱き抱え、階段を登る。
竜一は怪物の手を交わし、怪物の方へ走り、
白井拓馬の部屋から持ってきた拳銃を怪物の巨大な頭に目掛けて発砲した。
怪物は咄嗟に避けようとしたが避けきれずに目玉を貫いた。
「グォォォォォォォオオオオオオオ」
拳銃の弾は残り3発だけだった。
「最初からこれ持っておけばよかったぜ」
怪物は目が見えず、竜一を見失ってしまった。
竜一は怪物の口の中に2発撃ち込んだ。
「グァァァア」
怪物はあまりの痛さに苦しみまくっている。
天井を見てみると剣が何本も吊るされていた。
残りの1発で剣のガードの部分を撃つと、全ての剣が周りだした。
剣はヒルトの部分に紐が結ばれ、全ての剣が怪物めがけて落ちていった。
怪物は上半身全部串刺しになり、力絶えた。
「どうだ…」
怪物の口の中から鍵が出てきた。
「これはなんの鍵だ?」
記憶を思い返すと、玄関ホールの右側の扉が閉まっていたのを思い出す。恐らくその扉だろうと思い、階段を登る。
大広間へ戻ると、高橋れなが中野さきに抱きつき泣いている。
「どうした!?」
中野さきは意識を失い、どんどん脈が弱りかけてる。
「このままじゃまずい」
竜一は中野さきを担ぎ、玄関ホールへ戻る。
右の扉の鍵を開け、更に続く長い廊下を渡る。
次の扉を開けると、なんとまた、別の玄関ホールへ着いた。おそらくここは別館だろう。
前の玄関ホール同様、左右には2階に登る階段がある。
ほぼほぼ同じだった。正面の扉は一つある。
正面の扉を開けようとするが、鍵がかかっていて
空いてなかった。
とりあえず階段を登り、2階の左の扉を開けると
長い廊下がまた続いているが、左右に何体ものあの怪物の像が置いてある。
3人はこの廊下を渡るが、どの像も今すぐにでも動き出しそうなくらい不気味だった。
「わ、わたしはべつに怖くないし…」
高橋れながいつもどおり強がっているが、バレバレだった。
中野さきを担いでいるのに、普通に歩ける高橋れなもくっついてくるので、更に歩きづらい。
やっと次の部へ辿り着き、扉を開ける。
すると3人の前に、いきなり子供2人の幻影が映しだされる。
2人ともまったく知らない子だった。
しかしその雰囲気にはどこか身に覚えがあった。
だが竜一も高橋れなもその子供が誰なのかわからなかった。
気がつくと幻影は消え、目の前に赤い扉が現れた。
竜一はあの子供はキッチンで見つけた写真の子だと思い出した。
「いったいだれなんだ…あの子供は…」
3人は赤い扉へ飛び込んだ。
意識が薄れ、現実の世界は戻っていった
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