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💖💛ちょっと複雑な設定で拙いですがとりあえずさのじんかと思ってくれればオールOKです。
猫と犬の王国
この国は貧富の差で人間を猫と犬に分類している。
猫は代々受け継がれる富豪及び高額納税者がそう呼ばれる。自由気ままにわがままに街を出歩いているやつはほとんど猫であり彼らは皆きらびやかな衣服を着て金を使い経済を回している。
それに比べて犬というものは奴隷又はペットとして猫が買うものである。猫と見分けるのは簡単で首に所有物を表す首輪とリードを付けて猫に引きずられるように歩かされているのは犬である。金も居場所もないやつが犬として売りに出され死ぬまで酷い扱いを受け、死んでも次の犬を買うだけ。まさに使い捨てのような扱いをうけている。
俺、佐野勇斗は産まれた時から裕福な家にいてすでに犬が10人ほど住んでいる猫である。犬は主に雑用係なので家の広さなどに比例して多頭買いするところも多く幼い頃の俺の身の回りの雑用も犬がやっていた。
犬の印象としては寡黙で無愛想。人生になにも希望がないような目の光が消えている奴ばかりだった。外を歩いていても周りの犬は基本はそうだった。
10歳の誕生日。猫は10年ずつの節目に大きなパーティーをするのでその準備している間友達と遊んでいたら続々と知り合いが俺を祝いにやってきた。へらへらと挨拶してくる恰幅のいいおじさんの側には生気を失った女性がリードで繋がれていた。リードを引っ張られすぎて苦しそうな人もいるし、張り付けたような笑顔をさせられている人もいた。
幼い頃はこれが普通だと思っていた。学校でも刷り込まれるほど教えられて疑問に思う奴もいない。たまに犬の人が反乱を起こすが警察に捕まって終わり。周りの奴らは口を揃えて猫でよかったと笑う。もちろん俺もそう思ってた。
「勇斗、10歳になったから勇斗専用の犬を1人買ってあげたいんだけどどこの子がいいかしら?」
パーティーの最中母親がそんなことを聞く。黒服の男にぞろぞろと連れてこられた犬たちはみんなまだ小さく俺と同じかまたは年下の犬が俺の前に並ばされた。1人選んでいいのよ?と母親が促すが別に犬が欲しいとは言ってないし欲しくもなかったが選ばないと長くなりそうだから少し考える。
ぱーと数十人と見ていく。どの犬もどこか浮き足立っているのはこの豪邸で過ごせると思ってるからだろうか。勉学を受けてない子供たちは駒使いなのに自分を指名して欲しく賑やかに笑っていた。
そんな中で気になる子を見つける。
大人の犬のように寡黙で無愛想な雰囲気で明らかに反抗しているような目付き。この場所に連れてこられたことが心底気に入らないといった顔をしている。
だが一番顔が整っていて可愛らしくもありその反骨精神丸出しの顔が面白くてその犬を指差した。
「この子にする!お前名前は?」
「…………」
無視。ではない。
これは仕付けられた犬の特徴だ。猫との会話は基本NG、接触も認められた飼い主でなければ許されない。この子はたぶんもう自分がどんな役割をするのか知っている子だった。
犬を連れてきた黒服の男がその子に繋がれた首輪のリードを軽く引くと彼はやっと声を発した。
「仁人…です、勇斗様」
その時の表情と言ったらこれでもかと睨み付けて不信感を隠す気もなくもろ出しにしていて思わず笑ってしまった。絶対選ばれたくないといった感情が伝わってくる。
「あはは!仁人ね!よろしく!」
『勇斗様、本当にこの子でよろしいのですか?この子は出来がいいですが以前…』
「いいよ、俺仁人もらう!仁人がいい」
黒服の男はビックリした表情を一度見せたが主役である俺の言い付け通りに彼の首輪に繋がるリードを渡し、撤収した。
仁人は大きな目をパチパチさせてこちらを見ていた。
俺より小さい仁人はその日から俺専属の奴隷として生きていくことになった。
◇◇◇◇
「勇斗様、朝です」
「んー…もう少し…」
「勇斗様」
「おはようのキスされたら起きる」
「今日の予定にお見合い入れときますね」
「待ってやめて!お見合いしねぇから!」
「わかってんなら早く起きろよ」
あれから18年、可愛いマイペットは立派な美人に成長し俺に厳しい執事になった。
普通執事は執事で調教された犬が付くのだが仁人は初めからなんでも出来た。出来すぎて逆に叱ることもないし初めから奴隷というより友達になりたかった俺にとって執事になってくれた方がありがく、どんどん成長してって今これだ。
この世の中に口の悪い犬の執事なんてたぶん仁人だけだろう。いや、悪すぎるだろ。昔はもっと敬語ちゃんと使ってた気がするんだけど?
「仁人ぉ目覚めのキスぐらい良いじゃん~」
「無理ですね、はい着替えてください、ご飯の準備はもうできてますので冷めたもの食いたくなければ早く来い」
「冷た…なにこの子…」
「あんたが選んだ犬ですけど?」
「もう犬じゃないだろ?」
「犬ですよ」
くるりと背中を向けて歩き出す仁人の首にはピンクの首輪が付けられている。これは俺があげたものだ。奴隷の色ではなく俺好みの色とスタッツがついたちょっと危ない首輪。
しなやかな腰からお尻のラインを見ながら昨日した行為を思い出す。
この数十年で仁人との関係はかなり変わった。
まぁ簡単に言えば俺が惚れちゃったってこと。たぶん一目惚れだったんだろう。仁人が18歳になった瞬間、意外と騙されやすい彼を拘束して悪戯をしかけ意地悪に抱いた。
それからと言うものお見合いは一切お断り。反対された親を振りきり強引に仁人を連れ出して今は2人で暮らしている。
「仁人ーネクタイー」
「もぉ、出来ないなら付けないで下さい」
「仁人に付けてもらいたいの♡」
「めんどくせぇな…」
「昨日はあんなに可愛かったのに…ってごめんごめんごめん!首!首しまってる!!」
「はぁ…」
仁人は俺の家に来た時絶対にこの家は嫌だと思ってたそうだ。以前すでに奴隷として違う家にいたが生意気な目付きをするからと返却された身だった。それでも奴隷の弁えを分かってる仁人は俺の家に選抜され今に至る。
なんで…こんな俺でいいの?
なんて聞かれたことがあったが…答える必要ある?ってぐらいのしごできスパダリ要素と美人な容姿に相性抜群の身体…こんな子を野放しにできるわけないだろ。
「仁人は俺だけの猫ちゃんなんだよなぁ」
「っ勇斗様!早く!!遅れるぞ!!」
「はいはい、ったく…今日も啼かせるぞ…」
「なんか言いました?」
「なーんも?」
「今日はしないから」
「えぇー!?」
ちらりと睨み付けられた表情は昔のまんま。
どーせご主人様には逆らえないくせに。
可愛い可愛い俺のペット。
コメント
3件
めちゃくちゃ良かった続編があるなら見たいです!
初コメです失礼します。すごくいい話でした。できればでよろしいのですが、続きが見たいです。よろしくお願いします。
第24話、読み終えました。 「猫と犬」という身分制度の世界観がすごく面白いですね。貧富の差を「種の違い」としてデザインしているところに、この世界の残酷さとファンタジーが両立していて惹かれました。 そして何より、10歳のときに一目で仁人を選んだ勇斗と、あれだけ反抗的だった仁人が18年かけて「彼にだけは心を許す執事」に変わっていく関係性の描き方が丁寧で…。ラストの「可愛い可愛い俺のペット」の一文に、すべての積み重ねが詰まっていて、ほっこりしました。 続き、気になりますね。