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その後すぐに市場の方に向かった。
商人達に声かけたり見てまわったが
「全然っ…見つからねぇ」
ブラック系の魔物はここら最近では出回ってないらしい。他の領地に行けば手に入りやすいかもしれない。たが…ここは辺境の地だ。他の領地に行くのに時間がかかるし無かった場合を考えると…
「…冒険者ギルドに行ってみるか」
見つからないなら、自分で取りに行くしかない。
【冒険者ギルド】
ガチャ…
冒険者ギルドは商人ギルドと違って試験も簡単で誰でもなることができる。年齢層も自由だ。建物はレンガで作られている。商人ギルドと比べるとボロく見える。
「さてと…」
掲示板を見るが、低レベルの魔物からドラゴン討伐まであるが…ブラック系はない。
聞いてみるか…
受付嬢のところへ行き
「すみません…依頼にブラック系の魔物はありませんか」
もしかしたら、まだ掲示されていないのがあるのかもしれない。クエストの中では高レベル向けの内容など掲示板に載せられていない物もある。もしかしたらと思ったが…
「申し訳ございませんが現在ブラック系の魔物は出現が低下しており討伐は行っておりません」
「そうですか…」
魔物は減ること自体ありがたいことだが、高レベルの魔物は素材として大いに活用する事ができる。なので、減りすぎると増えるまで討伐を禁止する事がある。今がその時期か…
「いつ頃から開始しますか」
「現在は未明です。もし、討伐希望でしたら他の場所の方がよろしいかと…」
未明なら仕方がないな…
これは、他の高レベルの魔物しかない
「それじゃ…ドラゴン討伐の依頼をお願いします」
ドラゴンならブラック系の魔物より高位のレベルだ。これなら、文句も言われないだろう。
「では、冒険者カードをご提示ください」
俺様は、冒険者カードを取り出す。
「すみませんが…B級冒険者では受理できない内容です」
やっぱりか…この依頼はS級の冒険者が行うもの。一度、ドラゴン討伐をしたことがあるからと行って無理か…
「パーティで行うならできますよ」
パーティか…すぐに集まりそうにない…
討伐もできない…市場で買うこともできない。これじゃ、不合格になってしまう。どうしたものかと悩んでいたら…
「…その依頼私とパーティでお願いします」
「アイリス…」
隣にはアイリスが居て冒険者カードを受付嬢に提示していた。
「えっ…と…はい冒険者級には問題ありませんので受理できます。よろしいでしょうか」
「は…いお願いします」
まさか…S級冒険者の依頼を受理できるとは…
ここで話そうとしたが、邪魔になってしまうので俺様達はそのまま近くの喫茶店に入り話し合いをすることにした。
「アイリスいいのか俺様と一緒で…というか一人でできなかったのか」
「最初は一人で行なう予定だったよ。でも、子供一人じゃ危ないって言われた」
不満そうに言っている。確かに、腕が良くても…賢くしても…見た目はガキだし止められるのも無理はないだろう。
「ロアだってドラゴン討伐もうしないんじゃなかったの…」
確かに…そう言っていたが
「仕方がないブラック系の魔物がここではいないからな」
「他の地域に行けば」
「距離を考えてみろ」
「休まず行けば何とかなるよ」
無茶を言う…確かに休まず体力強化の術をかけながら行けば間に合うだろう。だが…そこまでできる体力と魔力はない。
「無茶な賭けはしない」
「そう」
「ドラゴン討伐は仕方がないからだ」
「怪我しても知らないよ」
「そんときは…また頼む」
「あんま期待しないでね」
「頑張るよ」
もう、あんな痛い思いはしたくない。こいつに助けられるだけじゃなく自分でつかみ取れるようにしなければ。
「こんなことになるならドラゴンの素材貰っておけばよかった…」
「そうだね」
村でドラゴンを討伐した際、素材を一部報酬に貰ったがすぐに金へと変えてしまった。これから、金が必要になるので報酬を村長に高く売りつけてしまった。それに、素材は討伐してすぐに売ったほうが腐れず綺麗なままなので良い値がつく時間が経てば立つほど値は落ちていく。だからこそ、早く売った方が良い。まさか、未来で必要になると思うまい。
「それで作戦はあるのか」
過去の事をウジウジしていても仕方がない。次の事を考えなければ…
「あるよ」
「それは…」
「囮作戦…」
「それって…」
「村でやったことと同じだよ」
つまり、俺様が村の時みたいに一人正面から挑む必要があると…
「大丈夫だよな」
「大丈夫だよ」
本人は自身がある様だし任せるか…
ゴクッ…
コーヒーが染みて美味い。ここの珈琲は豆が良くとても美味い。アイリスはホットケーキを食べている。珈琲はまだ早いのかな…それにしても、いつもより笑顔で美味しそうに食べている。甘いものか好きなのは年相応だな。今度、美味しい店があったら紹介するか…
そんな事を考えていた際、新たな客が入ってきた。そいつは、俺様達を見つけると真っ先にこっちへと来て…
「あっ…お前ら」
「「ん?」」
茶色の長髪歳はおっさんだな。かしこまった服装をしている。なんか…怒りのような顔をしていた。
「試験は…どうしたんだよ」
「なんか用…」
「あっ…」
確か…こいつ商人試験にいたやつだ。俺様達を見て怒っていた奴だ。こいつ元々怒ったことなのか…
「ガキ共は優雅にお茶か。呑気なものだな」
「お互いね」
「ハァ…私は依頼ならもう時期終わる」
「私らも終わるよ。強者は優雅でいないと」
煽り煽られの繰り返し。アイリスにいたっては、別に興味などを抱いてはなく面倒くさそうに答えていた。
「チッ…ガキ共に商人は無理だ」
「おいお前…」
「ここで刃向かってみろお前等は終わるぞ」
こいつどっかのボンボンか…
「私はお前等愚民とは違う」
俺様達が刃向かえないように諌めているつもりか…くだらない
「子供は可能性を掴み取るものだよ」
「ハァ…」
「それにやってみないとわからないこともあるよ」
「ガキが…大人を愚弄する気か」
「そんな事に興味はない…行こう」
「おぉ…」
俺様達は店を出た。アイツは怒りが収まらないのか後ろで文句を言い続けている。
大人はめんどいな…
「ロア…明日やるよ」
「おぉ…やろうぜ」
明日、ドラゴン退治だ。作戦内容は明日話すと言いアイリスとは別れた。アイツはなんか用事があるので先に戻ってほしいと言われた。何か…企んでいるのだろうか。
まぁ…明日俺様が囮だろうがなんだろうがやってやる。ガキだってできることはある。