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◻︎甘い時間
「えっと、あの、シャワー、いいですか?」
「どうぞ、僕は一杯飲んでいますから」
どこだ?シャワールームは?とか独り言を言いながらシャワールームへ入る。
待てよ、シングルということはバスタオルを私が使うわけにはいかないか、なんてことが気になったりして。
髪を濡らさないように気をつけながら、ボディソープで体を流す。
鏡に写った自分の裸を見て、がっかりした。
_____これ、勃たないんじゃない?
どう見ても色気とやらが感じられない。
一応女で、挿れてもらえるアナもある…が。
タプタプしたウエストも、乳首が喧嘩したように外向いてるのも、我ながらがっかりだ。
バスタオルは使わず、フェイスタオルで体を拭いて下着をつけて服も着た。
「お先に…」
なんてシェアハウスの住人かというようなセリフで、シャワーから出る。
「おや、美和子さん、また服を着たんですか?」
「え、まぁ、あはは」
「では、僕もシャワーを浴びてきますね」
「はい、ごゆっくり」
1人になって、テレビをつけてみた。
バラエティ番組の笑い声が部屋に響いて、思わずボリュームを下げる。
落ち着かない、テレビの内容もわからない。
カチャ…と音がして、雪平さんがバスタオルだけでシャワーから出てきた。
スーツが似合うと思ったら、やっぱりガタイがいい。
肩幅が広く胸板が適度に厚いのがわかった。
ベッドに腰掛けていた私の横に並んで座る雪平さん。
ギシ、とベッドが軋む。
「美和子さん…」
「は、はい…」
「僕はうまく脱がせられる自信がないので、脱いでもらえませんか?」
「えっ!あ、じゃあ、暗くしてください」
「わかりました」
雪平さんは、まずテレビを消して部屋の照明を常夜灯にした。
「あの、これも」
私はリモコンを取ると、消灯ボタンを押して真っ暗にした。
「こんなに?」
「はい」
これなら見えないだろう、タプついたお腹周りも崩れかけたバストも。
私は脱いだ服を手探りで床の隅にまとめた。
_____下着も?
「脱ぎましたか?」
「えっと、はい、あとは下着を…」
「じゃあ、これからは僕が…」
雪平さんがリモコンで常夜灯をつけた。
けど、私は慌ててまた消灯にする。
「美和子さん?」
「はい」
「これでは真っ暗過ぎてわかりませんよ」
「いいんです」
「まるで闇鍋ですよ」
「えぇ、何を食べてるかわからない、これでいいんですよ」
「ふっ!仕方ないですね、では…」
ホックが外されると同時に、唇が重なった。
突起の先端を雪平の指がつまむ。
ビクン!と電流が走る。
_____あ、間違いなく今、私は女だ
何も見えない暗闇の中で、雪平さんの肌を感じることに集中する。
それは穏やかで、あまったるい時間だった。