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コメント
1件
うわっ……辛いよこれ……(泣) お互い好きなのに、未来のためにお別れしなきゃいけないなんて。最後の「さようなら」のシーン、作り笑顔なのに本当に切なかった。それにロザンナたちの会話も、見守ることしかできないもどかしさが伝わってきてまた辛い。でも、ちゃんと向き合った二人の選択は美しいと思ったよ。良いお話すぎて胸がギュッてなった……!
第77話
「え?」
僕は、耳を疑った。でも、知ってる未来。
僕たちは、結ばれてはいけないし、他の人と子供を残さないといけない。
それは分かってる。分かってるけど……
「……分かってくれるよね? 私はロルフと幸せになれない。未来を潰すのって嫌でしょ? 私は勿論、ロルフの事が好き。だけど、それが一番私たちを傷つけてると思わない? それに、好きだからこそ、ロルフの傷つく姿は見たくない」
アニカは淡々と口を動かす。
僕だって分かった。それが何を示しているのか。
アニカが酷い事を言いたい訳じゃない。僕を傷つけたい訳じゃない。
これが、アニカの本心で、自分の心を昔の僕のように斬り殺して、残酷な姿をしている。
嫌だけど、結ばれた方がもっと嫌。
……アニカはそうなのか。僕よりよっぽど真面目だね。
僕は、このままが……でも、耐えられない。これほど近くにあって、なのに触れない。
そんなのが、見えたのか……そうだよね。僕だって辛い。
一緒にいたくないけど、一緒にいたくて……この気持ちを見落としたり、見落としたふりしたりしていたのか……
「……分かった。じゃあ、僕はもうアニカに会いたくない。それが一番でしょ?」
アニカは頷いた。
頷かないで……でも、これがアニカを傷つける行動になるのなら……
「でも、昔の僕のようにはならないで。この選択をしたのなら、忘れるべき人の真似をしないで」
僕がそう言うとアニカは頷いた。
でも、辛いのを悟られないように、自分で気づかないようにしているのは分かった。
僕は、苦しくて、痛くて、泣きたくて、辛くて、怖いこの気持ち。どう処理するのが良いの?
表には出せない……
偽りの笑顔でも、最後は笑顔で終わりたい。
「分かった。ロルフ。好きだよ。さようなら」
「……僕も大好き。アニカ。さようなら」
最後は、二人で作り笑顔でその言葉を交わして背を向けた。
僕は西の方へ。アニカは東の方へ。
僕たちは温かい風に押されて足を動かした。
僕は、アニカが今、どんな顔をして、どんな気持ちかは、分からない。
いつも、居場所は分かる。だけど、もういけない。
アニカはこれから、違う人と人生を歩むのなら、僕もそうする。そして、アドルフくんだけに責任を負わせない。
貴女の過ごす一時一時が、幸せで、温かくなってほしい。
……叶わないかな。いや、アニカなら叶ってほしい。
僕は、そう思いながら耳飾りを外した。
✡
『そうするしか、無かったのかな?』とロザンナさんが隣で口を開いた。
お兄ちゃんと、アニカは……そうだよ。
『娘を頼んだが……見えてた未来だ。しょうが無い』
『そうですね。お兄ちゃんとアニカらしい選択になっちゃったな……』
『それが一番の選択肢だったんじゃないか? あの不器用には、他の選択肢は似合わない』
『そうだよな。フリオを支えてやって欲しかったが、行くにも行けないな』
『いや、行けますよ。居場所がお互いわなりますから』
そう言うと皆、『は?』とハモった。
『……光の子と、王家の子が手を組み合わないと封印は出来ないから光の筋が見えるんです』
あれ……? 言ってなかったっけ?
『残酷ね……二人とも、両思いで、結ばれてもいいのに……血筋だけで……』
『それが、運命だ。俺たちも見守る事しか出来なくなった以上、何も口出しできない。そうじゃないか?』
運命は私たちだってそうだけど……
『そうだけど、極論過ぎるよ……』
『ロザンナ。でも、シルビオのいう通りだ。何もできないのに、口出しするのはおかしいだろ?』
『分からなくもないけど……そうだよね』
マルコさんに、ロザンナさんまで……
確かに、二人が選んだ未来を私たちが口出せないか……
『涙も流せなくなったし……そうですね』
『ロルフには、そのまま支えてくれて欲しかったが、苦しくなるのも分かるな。無理難題を出してしまったな』
『じゃあ、行くか』とマルコさんが言うと『えぇ』『そうだな』『そうね』『そうするか』と皆で、あの世へ向かった。
ゴメンね。
忘れられない思い出を残して、皆を傷つけて、酷い人だったね。
アドルフ。私みたいに仲間を置いていくような人にはならないでね。強く生きるんだよ。一緒にいてあげられなくて、ごめんね。
ティモ。置いていってごめんなさい。愛してるよ。お兄ちゃんの事もアドルフの事も頼んだよ。
アニカ。貴女に巡り会えてとても幸せだった。私は、もっと一緒に過ごしたかった。なのに逝ってしまって、ごめんね。
お兄ちゃん。全てにおいてごめんなさい。光の家って事もちゃんと言った事は無いし、あんな酷い別れをして、酷い妹だったよね。
でも、お兄ちゃんは立派だから、もっと、堂々と人の為に動いてあげて。
皆。今までありがとう。皆に巡り会えて本当、良かった。
私は、誰にも聞こえない声で、天に昇りながらそう呟いた。