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藍原の姉の事件の糸口を探るには
自分の過去をほじくり出す事が必要だった。
歌舞伎町の殺傷事件に巻き込まれた、藍原の姉
その現場に昔の馴染みのある奴の思念が残っていた。
-13年前 17歳ー
「風間くん、またケンカしにいくの?😤」
「俺は手を出すわけじゃない指揮するだけだ😅」
「ケンカしないって約束したでしょ?😤」
「はい」
俺は横浜、町田、湘南地区の縄張り争いの真っ只中だった、数で引けをとる湘南地区は戦略の俺を必要としていた。
簡単にこのスリーポイントの説明をしよう。
まず町田相模原エリアが「ビッグバン」ここを仕切っていたのがひとつ年下のリキトというやつだ。コイツは16歳ながらプロレスラーみたいな体格で怪力ゴリラだ。
横浜エリアは「紅蓮(ぐれん)」女総長のツバキ、こいつは強さ美貌と悪知恵で女帝へとのし上がっていった。
そして俺のいる湘南は「ゴースト」と言われている。なぜゴーストかというと総長がゴーストというわけだ。誰にも見つからず、姿をあらわさない最強の男だ。
紅蓮もビックバンも毎日のようにゴーストの総長のタツシの首を必死に探している。
そんな日々の抗争に明け暮れていた俺に彼女のツグミも呆れていた。
13年前の12月24日は忘れもしない一日だった。
ツグミの誕生日がクリスマスイブの12月24日だった。
「もしもし風間くん17時に江の島の駅で待ち合わせ絶対遅れないでね」
「あぁ今日はちゃんと予定開けてあるから大丈夫」
ツグミから電話があり、俺は以前から予約してあった、海岸近くのアクセサリーショップまでバイクで向かっていた。
ツグミは裕福な家庭で俺と違い優等生。髪も黒髪でメガネかけていてパッと見、目立つような外見ではない。
あいつとの出会いは学校の廊下で馬鹿者どもの抗争があった時だった。5人くらいの男が乱闘騒ぎを起こしていた。
チャムがなり授業が終わって理科室から数人の生徒が出てきてた。
乱闘に巻き込まれ数人が押し倒されてかけていた。1人の女子生徒のメガネが宙を舞った。
そこに偶然居合わせた俺がナイスキャッチ。その時、アイツの素顔を初めて見た。
「かわいぃ」
「えっ?メガネどこ?」
「どなたかメガネ知りませんか?」
俺はメガネを持っていることも忘れその子の顔をマジマジみた。うっすらブラウンの綺麗な瞳。
「名前は?」
「はい?」
「名前教えてくれたら、メガネ返す」
「何言ってるんですか?」
俺は名前を聞かず、メガネをかけてあげた。
「。。。ありがとぅございます」
「メガネないと何もみえないのか?」
「はい」
俺は、すかさずメガネをまた取り上げた。
「何するんですか!返してください」
「彼氏は?」
「何言ってるんですか?」
「彼氏はいるのか?」
「いないです、メガネ返してください」
俺はまたメガネをかけてあげた。
「メガネが飛んだのを無事に拾ったんだから、なんかお礼しろよ」
「えっ拾ってなんて頼んでませんよ」
それからだ、毎日、3つ先の教室に乗り込みツグミにアプローチした。
昼の休憩時も授業中も、ツグミは無視したり目を逸らしていたけど、嫌がってはなかった。
話すのも俺が一方的、ツグミは頷いたり首を振るだけ、それでもよかった。
金髪のロン毛の俺が隣にいて周りの奴らからは吊り合わない2人が珍しく見えていたんだろう、かなり目立っていた。
「でさぁうちのかぁちゃんが」
「風間くんのお家は楽しそうだね。。。」
ツグミがやっと反応した。ツグミは下を向きバックを抱えて
「うちは仮面夫婦なんだ、お父さんも家にはほとんど帰って来ないし、中学生になってからは家族揃って食事もしたことない」
ツグミは寂しさを絞り出すように家族の現状を俺に伝えた。
俺は隣で押していたバイクを止めた。
「バイク乗せてやるよ」
半ば強引にメットを被らせ134号を流し始めた。
「どうだ?気持ちいだろ」
「えっ?何?」
周りの雑音で会話が掻きせされてしまうが、ツグミのしっかりとしがみつく細く白い腕が俺への警戒心が解かれていくのを感じていた。
江の島の入り口でバイクを止め黄昏時の海岸を眺める。
「風間くんは悪い人じゃないって思ってる」
「ただ私、こんな性格だから男の人とか慣れてなくて」
「慣れてるより慣れていない方が俺にとっては好都合」
「まぁ気晴らししたい時はいつでも乗せてやるよ」
「ありがとう」
それからは、毎日ツグミと色々な話をしたりやっと会話ができるような関係にまでなった。
ツグミといる時は三つ巴の抗争とかも忘れてしまうほど俺には新鮮な時間だった。
ツグミとの時間が増えるのに比例してビックバンと紅蓮の湘南への侵攻も深くなり事態は緊迫化していた。
ゴーストの幹部会が開かれる事になり、それに出席せざるを得ない状況になっていた。
🌟次回予告🌟壊滅状態になっていくゴーストツグミをとるのか仲間をとるのか
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