テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
司は決意を胸に、えむに電話をかけた。
ーもしもし、天馬だ。
ーあ、司くん?どうしたの、何かあった、?
ーいや、今日は伝えようと思ったことがあったから、電話した。
ーそっか。それで、何を伝えたいの?
ー俺、明日、ワンダーステージに行こうと思ってる。
電話の向こうから息を飲む音が聞こえた。司は気にせず言葉を紡ぐ。
ー俺、やっぱりあの場所が好きなんだ。あそこで何かをするのが一番好きなんだ。あそこでショーを作って、ショーをして、たくさんの人の笑顔を見られて。俺は、それが大好きなんだ。俺は、それをするためにあそこでショーをした。俺が好きなことだから。スターになるためとかそんなのは表面上だけだったんだって気づいたんだ。咲希が笑ってくれた。それがただ嬉しくて、続けていた。先にもっと笑って欲しい。もっとたくさんの人に笑顔になってもらいたい。そんな思いしか俺の中にはなかったんだ。
ーなんで、もっと早く、言ってくれなかった、の?それをもっと早く知ってたらあの時、司くんを止められたかもしれないのに、。
ーすまない。最近なんだ。ワンダショをやめさせられたあとに考えたんだ。”俺は本当にスターになりたかったのか”って。だけど、俺の中の思いはそんなものじゃなかった。あそこでたくさんの人の笑顔を見たい、それだけのことだったんだ。だから決めたんだ。誰も俺のことを見なくてもいい。類とか寧々とかえむだけを見てくれても構わない。だけど、俺たちのショーでたくさんの人の笑顔を見たいんだ。俺がチームの足を引っ張っているのなら、マネージャーとしてでもいい。俺は、あそこで、笑顔の人たちを見ていたいんだ!
ーだけど私はいやだな。
ーえ、?
ー司くんのことを誰にも見てもらえないのはすっごくすっごく嫌だよ!司くんは輝いてる!あのステージで一番!類くんの演出とか寧々ちゃんの歌とかとは別の、楽しませたいって思いが強く出てる。だって司くんに何もなかったら、私なんて何もないんだから。
ーえむ?何言ってるんだ?えむはあのステージの光だろう!あのステージを笑顔で演じ続けてるのはえむだ。えむの可愛らしい姿とか明るい姿を見て観客は笑顔になる。そんな力、俺は持ってないんだ。ただ声がでかいだけなんだ。
ーそんなことない!あのステージは!司くん抜きでは成り立たない!類くん、寧々ちゃん、私、そして、司くんじゃないと、ワンダーランズ×ショータイムじゃない!それに、座長がいないと面白くない!だって、私たちの座長は!
“やめてくれ、言わないでくれ、えむ。
ー司くんだけなんだから、!!
“あぁ、そうだ。俺は、ワンダーランズ×ショータイムの座長だった。それなのに、なぜ俺は逃げたんだ。逃げてはいけないのに、なぜ逃げたんだ。だが、もう逃げない。苦しくても逃げてはいけない。なぜなら俺は、座長だから。
ーそうだな、やはり座長である俺がいなければな。覚悟が決まった。明日、ワンダーステージに行くとするか!
ーうん!
#キャラ崩壊注意
師匠@活動終了
5,892
コメント
1件
みぅです🤍🥀 第35話、読みました。 司くんが自分の本当の気持ちと向き合って、えむに電話したんだね…「スターになるためじゃなくて、笑顔が見たいから」って言葉、すごく刺さった。それにえむの「司くんのことを誰にも見てもらえないのは嫌だよ」って返しに泣きそうになったよ。お互いがお互いを大事に思ってるのが伝わってきて、心が温かくなった🌙 「座長だから逃げない」って決意した司くん、かっこよかった。続き、楽しみにしてるね!