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薄明かりの差す部屋で、 夢の残像がぼんやりと頭を離れない。
小さな頃、誰かと笑い合って遊んでいたはずなのに、その顔も声もどうしても思い出せない。
「なんやろ……この感じ……」
胸の中にぽっかりと空いた穴が、ひりひりと痛む。
忘れてしまったはずの何かが、確かにそこにあるのに、掴めないもどかしさ。
⸻
学校に行く準備をしながらも、ロボロの心は夢の中の『誰か』に引き寄せられていた。
頭の片隅では、シャオロンとの楽しい時間や、 今の生活が安心できる場所であることもわかっている。
でも、それだけじゃ埋められない空虚感が胸に残っていた。
教室の窓から差し込む光を見つめながら、ロボロは嫌でも思ってしまう。
大事な何かを失いそう。でも、まだ何かわからへん。 今はただ、この謎な感覚に押しつぶされそう。
どうすれば…、
そんな時、シャオロンが隣に座って話しかけてきた。
「ロボロ、朝から元気ないやん。何かあったん?」
ロボロは少しだけ笑ってごまかす。
「ううん、なんでもない。ただ、なんか……夢見てん」
シャオロンは優しく頷く。
何もないなんて言ったら嘘になってしまう。はなしたいけど、説明するの難しい、、。
説明しようとするとどうにも喉の奥で詰まってしまう。
俺が国語力ないからかなぁ…、
「そうか……まぁ、無理せんといてや。何かあったら俺が話聞くしな」
ロボロはその言葉に少し救われた気がした。
でも心の奥底では、忘れてしまった『誰か』への思いが募っていくのを感じていた。
教室の隅でロボロは、家から持って来た昔のノートを開く 。
そこに書かれた「Zくんへ またあしたもあそぼな Rより」の文字をじっと見つめる。
「こんな昔のこと、なんで忘れてしまったんやろ……」
涙がこぼれそうになったが、必死にこらえた。大切な人を忘れてしなうなんて俺は愚かなんやろ。
あったらまず先に謝りたい 、、、ごめんなさい。のただ一言を
しかし、ロボロの心は揺れ動きながらも、まだ答えを見つけられずにいた。
忘れられた記憶の断片が、いつか繋がる日を静かに待っている――。