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3

小噺 シグゴー 死ネタ 自傷

♥

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2024年03月30日

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「ある日、僕の指に塵が着いていたんだ。」

そう下らないながら

長くなりそうな事を話始めた同僚にシグマは溜息を着いた

道化師は首に巻かれた包帯をくるくると指で弄り遊んでいた

「勿論、僕は塵を取ろうとした。

道化師なのに塵なんて着いていたら、カッコが付かないからね。

でも、取れないんだよ

手で払おうとしても、水で洗っても、どうしようとも取れないんだ」

奇妙な方向へ行った話の行方が気になり、

一寸クッキーを頬張るのをやめ、シグマはゴーゴリを見た

「だから、切ったんだ。

ハサミでその塵を。塵を切った筈なのに、痛かった

其処でやっと気付いたんだ。

僕が塵に見えていたのは自分だって

だから首を切ろうとしたんだ。これはその時の傷さ」

呆れたシグマは席を立ち、乱雑に置かれていたゴーゴリの帽子をゴーゴリに被せた

「冗談も良い加減にしろ。

クッキーの火加減は良かったがな」

そう吐き捨て去り行く想い人を引き留める事無く、道化師は蹲って笑った

、、、、、、、、、、、塵なのに変わりはないさ

ゴーゴリは物語の続きを始めようとナイフを取った

全ては愛おしい彼に聞かせる為

全ては彼に気づいて貰う為

全ては情けない自分への罰

其れが今、ドストエフスキーでもシグマでも探偵社でも無く、ゴーゴリ自身の手で下された。

彼はもうニコライ・ゴーゴリでも道化師でも何でも無くなった。

其れが、唯一無二の、救いだったなら

何者でも無いなんの価値も無い彼は、

もうなんの価値の無い笑みを遺した。

其れは何でもない君への、、、、おっと、僕の物語は此処で終わってしまった様だ。

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コメント

1

ユーザー

最後闇深い……!!!!見てる側としてすっっごい楽しいです…!!

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