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―なるほどね―――
ブラックはうなずいた、ビラにはサイトに誘導するQRコードが印刷されていた
彼女たちは自分達の様な格闘家が、この場所にジムを構えているのが気に入らないようだ
そして自分が職業にしているスポーツに抗議している
彼女達の運営するSNSも先日覗いてみたが、こともあろうに彼女たちはSBCEの事を「人間の闘犬」呼ばわりをしていた
ブラックは大きくため息をついた、総合格闘技の試合に出場するためには、どれほどのトレーニングが必要とされているかについて、きちんと認識していない人間は大勢いる、格闘技を一つマスターすればいいというものではなく
ボクシング、キック、武術、レスリングを複雑に取り入れ、互いに補完し合う技術を磨き上げなければならないのだ
しかしまだオリンピックにも任命されていないし、ボクシングほどメジャーではないが、確実にこのスポーツは人気を馳せている、数年もすればテレビで人気メジャースポーツになるだろう
しかしまだまだ世間は、ただの殴り合いで金を稼いでいると誤解している人達が世の中に沢山いる
ブラックは今度このスポーツがこれからメジャーになっていくことは確信していた、最近でははこのスポーツのスポンサーになりたい企業が後をたたないぐらいだ
しかし現段階ではこのような障壁もあるのは事実だ
ブラックは顎をポリポリかいて直接的すぎて彼女達を怯えさせないように、まずはグループ全体に声をかけた
「こんにちは、みなさんお元気?」
ほぼ一斉に女性グループ全員が、ブラックを振り返って見た
数人がキャッと言って怯えて数人の後ろに隠れた、こーゆー時の女性の団結力は感心する、アメーバーのようにみんなで引っ付いている
そして先ほどからブラックが見つめていた黒縁眼鏡の可愛い女の子が、みんなを守るように前に一歩進み出た
「私達を脅すような真似をしても無駄よ!全部録画しているんだから!! 」
彼女がブラックにくってかかった、なんとも威勢が良い、ブラックは再び口を開いた
「あら!脅したりなんかしないわよ、そのビラ今日はどのぐらい撒くの?」
「お姉言葉よ!お姉言葉よ!」とヒソヒソ後ろで話し込んでいる、みんなまるでブラックを未知の生物を見るような目で見ている、眼鏡っ子が両手を腰に当てて頭をくいっと持ち上げ、ブラックをひたと睨んだ
「1000枚よ!いけない?警察の許可はとってるわ!」
「いけないとは言ってないわ、あなた達、私達にこの街から出て行ってもらいたいんでしょう?」
もう一人の女性がメガネっ子の横に出てきた
「わ・・・私たちは今日の活動はビラ配りだけなの・・・いずれは署名運動もする予定だけど・・・何か不服があれば警察に・・ 」
「あなたがこのグループのリーダー?」
ブラックは低い声で眼鏡ちゃんに言った
ブラックは昔からとりわけ小柄な女性が好みだった、亡くなった母は、小柄だが日本女性の一本芯が通った力強さがあった