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ぎゃぁぁぁぁ!!すまない先生!! あいつまじ許さん!火炙りにして焼いてやる!
すまない先生!!逃げろ!!今すぐ逃げろ!!ソイツらは絶対にすまない先生を人形にするつもりだ!!絶対に逃げるんだ!!
一週間後。
アマリジョとアナランハドは自分の得物を持って“すまないスクール”へと向かった。
____壊すために____
門のところに立っていると気付いたらしい教師の一人が駆け寄って来た。事前に確認した書類によると、その教師が生け取り命令が出ていた【Mr.すまない】らしい。
(……あいつを生け捕りか……)
全身から滲み出る強者の風格に体が震える。こんな感覚は久しぶりだった。鼓動が速くなり気分が高揚する。
「どうしたの?何か依頼かな?」
Mr.すまないがそう問う。アマリジョもアナランハドも答えない。Mr.すまないが不審に思い首を傾げる。瞬間、異様な殺気を感じMr.すまないは後ろに跳ぶ。直後、腹部に感じるひんやりとした感覚。ひんやりとした感覚が消えると今度は焼け付くような痛みを感じる。アナランハドが薙いだ槍がMr.すまないの腹部を軽く抉ったのだ。
____強い____
それがMr.すまないが抱いた素直な感想だった。英雄と言われる自分にこうも軽く手傷を負わせるとはかなりの手練だと察する。いつも余裕そうなMr.すまないの顔に薄らと汗が浮かんだ。
「【貴様がMr.すまないか】」
不意にアナランハドがそう言った。しかしその声はどこか機械的で、一切の感情も含まれていなかった。
「……そうだ。僕がMr.すまないだ」
Mr.すまないは警戒を解かないままそう低く答える。先程軽く抉られた腹部の傷がじくじくと疼く。
「【ならば、貴様“だけ”は生け捕りだ】」
「僕“だけ”?つまり僕達の生徒には手を出すつもりだね?」
Mr.すまないの目に青い炎が宿る。
「【当たり前だ。貴様らの生徒に用は無い。ただの邪魔者だ】」
「……僕の生徒に手を出す奴は……」
「許さない!!」
Mr.すまないは何処からか草薙剣を取り出し、
「すまない!!」
といういつものセリフとともにアナランハドの頭目掛けて振り下ろす。目にも止まらぬ速さ。防ぐ事も避ける事も容易では無い素早い一撃。しかしアナランハドは顔色ひとつ変えないし、表情ひとつ動かさない。
ガキンッ!
気がつくとMr.すまないの目にも止まらぬ斬撃は、アナランハドの槍の柄でしっかり防がれていた。ほんの数瞬前までは確実にそこには無かったというのに。
(なんて反応速度なんだ……)
この反応速度にはさすがのMr.すまないも舌を巻いた。
「【こちらからも、行かせてもらう】」
その言葉が終わると同時に、アナランハドの槍はMr.すまないの脇腹を深く貫いていた。