「がっ……!」
Mr.すまないは槍を掴みジリジリと引き抜こうとする。しかしアナランハドは抜こうとするのを許さず更に押し込む。
「あ”あ”っ!?」
あまりの激痛に思わず声が漏れる。それに気づいたのか、クラスのみんなが走って出て来た。ダメだと言おうとするが激痛でまともに声も出せない。槍で刺されただけだと言うのにとんでもない激痛だ。しかし目の前の槍を突き刺した少年は顔色ひとつ変えない。まるでお面を被っているかのようだ。
(……いくら敵とはいえ、なんでこんなにも平然としていられるんだ……正気の沙汰じゃ無い……!)
再び槍を引き抜こうとするが激痛で手に力が入らず、抜く事が出来ない。手で抜くのは諦め、後ろに下がって相手の間合いから離れる事で抜こうとした。
「……うっ……ぐ……」
なんとか抜けたが灼熱の如き激痛が消えるわけでは無い。
(アナランハドは死なない程度の力加減がわかっているのか?あのままだとMr.すまないを葬ってしまうぞ?)
そう考えて何年か振りに相棒のアナランハドに声を掛けた。ペアで任務に出る時はお互いの暴走を防ぐために多少の会話は許されているのだ。
「アナランハド。それ以上やるとMr.すまないを葬ってしまうぞ」
「相手はあの英雄だ。そう簡単には死なないだろう。半端に痛めつけて逃げられる方が困る」
そう冷たく言い、更に槍を構える。その時。
キュイィン……ドォンッ!
放たれた電磁砲がアナランハドの足元に直撃する。放ったのは無論、Mr.ブラックだ。流石に下がっただろうと思っていだが、予想に反してアナランハドは顔色ひとつ変えずにその場に立っていた。しかしMr.ブラックもMr.すまないも土煙を突っ切って槍が突き出されるまでそれには気付けなかった。
「なっ……!」
「……っ……」
アナランハドは槍を横薙ぎに振り、風圧で土煙を晴らす。
「この程度では俺は死なない」
アナランハドはそう短く告げ反撃とばかりに槍を構えて突進する。今度こそ死を覚悟したMr.すまないとMr.ブラックを銀色のバリアが覆う。Mr.銀さんのシルバーバリアだ。
「銀さんっ……みんなっ……来ちゃだめだよ……殺されるよ……!」
そう言うが生徒達がそれで逃げる筈も無く、生徒全員が揃った。
「手間が省けたな、アナランハド」
「そうだな、アマリジョ」
2人は武器を構える。周囲の空気がズンッと重くなった気がした。
「僕達に与えられた命令は『すまないスクール』を破壊すること」
アマリジョが淡々と言う。
「そして生け捕り命令が出ているMr.すまない以外は殺すこと」
アナランハドも感情を削ぎ落とした声で静かに、受けた非情な命令を告げる。すまないスクールの生徒達も己の得物を構える。
____耳が痛くなるほどの静寂____
____次の瞬間には相手の2人も生徒達も
全員、一斉に飛び出していた____
コメント
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うわ…そういえばさ!マネーとバナナって最初から敵なの?!それとも操られていてすまない先生達の記憶から消えているだけで味方って訳では無い?!あぁ…私の推しが…でももしそうなら絶対すまない先生達には勝ってもらわなきゃ!
うわぁぁぁぁぁぁ!せんせー!!! 大丈夫じゃないよねぇ!?取り敢えずソイツらは消す!