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#青春恋愛
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夏希(なつき)
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奇蹟あい
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翌朝。
教室に入った玲は、自分の席に座る。
「おはよう、玲くん!」
「……おはよう」
昨日と同じ。
隣の席から、星羅の明るい声が聞こえる。
「はい、これ!」
机の上に、小さな袋が置かれた。
「……またチョコ?」
「うん。昨日美味しいって言ってたから」
「覚えてたのか」
「もちろん♪」
星羅は嬉しそうに笑う。
玲は一粒口に入れる。
「……うまい」
「よかったぁ」
星羅は満足そうに頷いた。
――玲くんの好きな味。
昨日の帰宅後、わざわざ調べた。
そして今朝、家を出る前に何度も確認した。
甘すぎないもの。
苦すぎないもの。
玲が食べやすそうなもの。
全部、覚えておきたい。
「玲くんってさ」
「ん?」
「好きな食べ物って何?」
「……急だな」
「もっと玲くんのこと知りたいから」
「そういうもん?」
「そういうもんだよ♪」
玲は少し考える。
「ラーメン」
「ラーメン?」
「ああ」
「じゃあ、好きな味は?」
「醤油」
「好きな店は?」
「駅前のところ」
「ふむふむ……」
星羅はスマホを取り出す。
「何してる?」
「メモ!」
「そこまでしなくても……」
「大事だから」
「……そうか」
玲は気にせず前を向く。
星羅はこっそりメモする。
――好きな食べ物、醤油ラーメン。
――好きな店、駅前。
――今度一緒に行く。
「次は……趣味!」
「ゲーム」
「どんなゲーム?」
「色々」
「じゃあ、今度一緒にやろうよ!」
「ゲーム?」
「うん!」
「まあ……いいけど」
「ほんと!?」
星羅の顔が一気に明るくなる。
「約束ね!」
「約束」
その言葉だけで、星羅の胸が高鳴った。
――約束。
玲くんと私だけの約束。
それだけなのに。
どうしてこんなに嬉しいんだろう。
昼休み。
いつものように二人で昼食を食べていると、クラスメイトの男子が声をかけてきた。
「天城さん!」
「ん?」
「よかったら今日、一緒に帰らない?」
星羅は笑顔で答える。
「ごめんね。今日は玲くんと帰る約束してるから」
「そ、そうなんだ……」
「うん♪」
男子が去っていく。
玲は少し驚いた。
「人気あるんだな」
「そうかな?」
「昨日から何人か話しかけてきてる」
「興味ないから」
「そうなのか?」
「うん」
星羅は玲を見る。
「私が興味あるのは、一人だけだから」
「……?」
「玲くん」
「……そういう冗談やめろ」
「冗談じゃないよ?」
星羅は微笑んだ。
玲は何も言えなくなった。
放課後。
「玲くん!」
「ん?」
「明日って休みだよね?」
「ああ」
「予定ある?」
「特にない」
「じゃあ……」
星羅は少し緊張した様子で言う。
「一緒に遊びに行かない?」
「二人で?」
「……うん」
「いいけど」
「ほんと!?」
「ああ」
「やった……!」
星羅は両手を胸の前で握る。
「じゃあ、明日……デートね!」
「……デート?」
「え?」
「今、デートって」
「……」
星羅の顔が真っ赤になる。
「ち、違う! 友達同士のお出かけ!」
「そうか」
「そうです!」
星羅は慌てて誤魔化す。
けれど――。
心の中では。
**初デート。**
そう何度も繰り返していた。
その夜。
星羅は自室のベッドに座りながら、明日の予定を考えていた。
「服……どうしよう」
クローゼットを開ける。
「これ……いや、こっち……」
鏡の前で何度も服を合わせる。
そして机の上には――。
玲が好きだと言った食べ物。
好きなゲーム。
好きな場所。
好きな音楽。
調べた情報が並んでいる。
星羅はそれらを眺めながら微笑む。
「玲くんのこと、もっと知りたい」
スマホを開く。
そこには星乃セラの公式アカウント。
大量の通知。
数え切れないほどのファンからのメッセージ。
しかし星羅は、それらを一切気にしなかった。
「全国の人に愛されるより――」
スマホを伏せる。
「玲くん一人に愛されるほうが、ずっと嬉しい」
そして、明日の予定を確認する。
待ち合わせ。
午前10時。
駅前。
星羅は笑う。
「明日……玲くんに、もっと好きになってもらおう」
その声は、とても優しかった。
けれど――。
その瞳の奥には。
ほんの少しだけ。
**独占欲が宿っていた。**
コメント
1件
え〜〜〜第3話も尊すぎた😭💕星羅ちゃん、玲くんの好きなもの全部覚えようとしてて、その一生懸命さがもう可愛すぎるでしょ!!「ラーメン」「醤油」「駅前」メモってるところに完全に萌えた🥺✨ そしてデート発言で真っ赤になる星羅ちゃんと、デートって言われてちょっと戸惑う玲くんの距離感が絶妙すぎる…!「玲くん一人に愛されるほうが嬉しい」って最後のセリフ、重すぎず軽すぎず、でも確かに宿る独占欲の描写がエモかった…次の話、絶対読みます!!🌸