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12 - 第12話 港の影に潜む刃

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2025年06月01日

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【20:08港倉庫地帯・作戦開始】


夜の港。ひと気のない倉庫街を、冷たい風が吹き抜ける。

海の匂いとともに、鈍い足音が響く。


楓は炎柄の羽織を翻しながら高所から敵の動きを監視していた。

一方、むつるは、港のクレーンの影に潜み、仲間への指示を飛ばす。


「……3人、北の倉庫へ。2人船の中だ。」


楓は、手のひらをかざし、小さな狐火を灯した。

その光が、空中に浮かぶ術式を照らす。


「《焔探し・九尾の環》……見つける」


術式が発動し、微細な熱反応を捉えて敵の位置が次々に視界に映る。




【21:10敵の罠】


「光流、右上からーー!」

楓の警告とともに、敵の投げた手裏剣が空を切る。


むつるは即座に《光閃・影分身》で回避。

分身の一つが敵の目をくらませた際に彼は背後から回り込みーー


「遅い」

鋭い蹴りで敵の背を地面に叩きつけた。


「お前たちの目的は、なんだ……?」


しかし敵は口を割らず、自爆符を取り出した。


「楓、下がれーー!」


とっさにむつるが覆いかぶさり、爆風を肩で受ける。

白いシャツが破れ、血が滲む。


「むつる……!」


「平気だ、今は任務に集中しろ」



【21:30敵幹部、出現】


倉庫の最奥。

そこに現れたのは、黒連の幹部「鴉刃」。


仮面をつけた男が、低い声で言う。


「炎熊と光流ーー名は聞いていたが、まだ子供か。

だが、火の力と光の力は……我らにとって忌まわしい因縁だ」


「因縁?関係ない……あなたたちのやってることは、ただのテロだ」


楓の言葉に、鴉刃は静かに手を振る。


その瞬間、影に広がり、五体の分身が出現。


「忍びとしての実力……試させてもらおう」



【激突】


むつるの《光刃・螺刃斬》が、敵の影を弾き飛ばす。

楓は《焔の陣・紅蓮花》で空間を包囲。


敵の分身が交差し、殴り、切りつけてくる。

二人は連携しながら、少しずつ本体の位置を絞り込む。


「次、右奥!本体は影が濃いーーあそこ!」


楓が炎の槍を生成、《焔槍・双牙》を放つ!


命中した瞬間、画面の男が呻いた。


「……ほう、悪くない」





【21:40戦闘終了】


鴉刃は退散。

港に残されたのは、燃え尽きた影の残滓だけだった。


むつるはその場にしゃがみ込み、肩を押える。

楓がすぐに駆け寄る。


「むつる、大丈夫……?!」


「……お前に炎があるなら、俺が灯になってやる。

その灯が消えそうな時は、何度でも点け直すから」


楓は涙をこらえ、彼の手を握る。




【その頃、学校の屋上】


紫藤先生は双眼鏡で遠くの港を見ながら、微笑んだ。


「……あの子たち、また強くなったな」


隣で保健室の先生がそっと言う。


「命を懸けてるのに、あなたは平気なんですか?」


紫藤は答えなかった。


だが、その瞳はどこか誇らしげだった。













この編は一旦休みます。

続くかもしれません!

By主


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