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第33話 「取り返せるタイミング」
「っ」
掴まれた手を引かれ、夏実は振り返る。
もしかしたら――何かを期待する気持ちを、抱(いだ)きつつ。
「――逃げ足、速いんだねー」
「……っ」
容赦なく力が込められた手は――美樹のものだった。
(なん、で……)
「キョンくんじゃなくてごめんねー?」
「っ」
――追いかけてきたのは、京輔ではなかった。
落胆した自分の心を見透かされ、夏実は自己嫌悪に俯(うつむ)く。
「――別れたんだってね。なっちゃんとキョンくん」
「!」
「さっきキョンくんから聞いた」
「……」
夏実は、史花以外にはこのことを話していない。
付き合いだしたとき報告をした父親や、悠一にすら。
だが京輔は、元カノにそれを教えた。
(そんなの篠塚の勝手だよね……わかってる……あたしが気にすることじゃない)
美樹とよりを戻すのだろうか――そんなことまで思********************
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