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ディープフェイクポルノアカウント、トゲトゲマンボウ。俺はまず、そのログをひたすら掘っていった。
トゲトゲマンボウが親しくやり取りしてるアカウントを見つけた。そのアカウントがトゲトゲマンボウの別アカウント名に言及していたので、そのアカウント名を辿る。
たどり着いたのは、まっちゃんというアカウントだった。アイコンは、本人とおぼしきプリン頭の中年男性である。まっちゃんアカウントのログをたどり、本名と、大まかな職業と、さらなる顔写真を手に入れた。芸能事務所の社員なのは事実らしい。
アカウント名からInstagramのアカウントも見つけたが、こちらはディープフェイクポルノでない、普通の可愛い女の子の写真ばかりだった。スカウトした子やデビュー前の子ばかりらしい。
しかし、トゲトゲマンボウのディープフェイクポルノで見た女性と同じ顔があちこちにある。こいつ、自分がスカウトした女の子の写真でディープフェイクポルノ作ってる!?
本名でFacebookも調べてみる。いくつか同姓同名があったが、総当たりし、顔写真が一致するアカウントを見つけた。
おっ、このアカウント、まだ生きてる! 大体のFacebookアカウントはひとときの流行りから放置されてるけど、これは全然放置されてなくて、まだそれなりの頻度で投稿がある!
Facebookの経歴部分も最新のようだ。所属芸能事務所特定、プロデューサーみたいなことをしているらしい。大まかな居住地も手に入れた。
ここまでくれば話は早い。俺は手に入れた情報をすべてまとめ、捨てアカウントからまとめた情報をトゲトゲマンボウにDMした。「このアカウントのディープフェイクポルノはあなたの仕事由来の画像を使っていますね? 個人情報を明かされたくなければ、ディープフェイクポルノの一切から手を引いて、素材もすべて消してください」と。
しばらく待つと、返事が来た。
「なんでわかった、誰だ」
「公開されている情報をまとめれば、これくらいのことは分かりますよ。で、手を引いて素材を消さなければ、この情報を得た方法付きで公開しますが」
しばらくすると、トゲトゲマンボウのアカウントが消えた。
しかし、念には念を入れよう。俺は俺のファンにさらに連絡し、トゲトゲマンボウの持ち主のHDDから千歳の素材を消せないかと、トゲトゲマンボウが作った画像をネットから全て消せないか聞いてみた。
[そうか、あなたは個人特定に動いていたのか。これならトゲトゲマンボウのHDDにアクセスするもの楽だ]
「よかった。トゲトゲマンボウアカウントは消えちゃったけど、HDDにアクセスできるなら保存してある画像も全消しできるかな?」
[可能だ。ここまで来たならそうすべきだろう]
「それとね、もう一つ、念の為やっといてほしいことがある」
俺は、俺のファンにトゲトゲマンボウの顔写真を全て送り、あることを頼んだ。
「念のためにね。まだ何か動きあるようなら使うということで」
[了解した]
とりあえず、打てる手は打った。翌朝、千歳にやったことを全て報告したら、ものすごくびっくりしていた。
『え、あれから3時間くらいパソコンいじってただけだよな!?それでそこまで丸裸にしたのか!?』
「脇が甘い相手だっただけだよ」
『お前、インターネット付喪神くらいやれるんじゃないか?』
「無理無理、俺は一度出た画像の全消しなんてできないもん」
そう、俺にはできなくて俺のファンにはできることはたくさんある。だから、念の為の一手を彼 (彼女?)に頼んだ。
使わないで済めばいいけど、使う可能性のほうが高いかな。
コメント
1件
読み終わりました……!主人公の執念と手際の良さがすごくて、ゾクゾクしながらページを追ってました。普通の顔でスカウトしてる裏で、同じ写真でディープフェイク作ってるって、本当に気持ち悪いですね。相手の脇の甘さを見抜いて、一気に丸裸にする展開が気持ちよかったです。でも最後の“念のための一手”が何か気になる……次が待ち遠しいです!